のんびリーナ

2000年10月4日 友達
ユキちゃんが12時頃に目を覚まし「今日はどこに行きたい?」と私に聞いた。
特に行きたいところもなかったのだが、強いて言うなら原宿に行きたいと思った。
東京にはわりに頻繁に来ている私だが、原宿にはもう何年も行っていなかった。
はっきり言ってもう原宿には用のない年頃になってきているのだ。
昔はタレントショップに食いつき、生写真屋に胸ときめかせ、クレープをぱくつき、東京に行くならディズニーランドよりも原宿!と思っていたのに・・・である。
10年近くご無沙汰している間に原宿はどう変わったかを見たかったのだ。
かくして原宿に行くことになった。
支度をしつつTVを見ているとトヨエツのKDDIのCMがあった。
「止まらないと撃つぞっていってくれないかな」ってヤツである。
そのトヨエツを見て、なんか無性にIGGYのことを思い出した。それだけ。
別にトヨエツとIGGYが似ているとは全く思っていないので。念のため。
ということでIGGY心を抱えたまま原宿へ向かった。
原宿は全く変わっていなかった。
こまごまとしたところはたくさん変わっているのだろうが、それでも全然かわっていないように思えた。
昔は原宿に行くと全部の店を一軒一軒のぞかないと気がすまなかった。
でも今日はただぶらぶら歩くだけ。
雑貨屋さんをちょこっとのぞいたぐらいだった。
原宿はかわっていないけど、私がかわってしまったのだなぁと思いつつ、ただぶらぶらと歩いた。
竹下通りから裏原宿へ入り、表参道に抜ける小路で、ユキちゃんが、少し休もうかと言った。
通り沿いに、ペインティングされた壁と、腰を下ろすのにちょうどいい石段がずーっと続いていた。
天気もよく、風がとても気持ちいい。
向かい側に座ったカップルがお菓子をわけあって食べている。
まるで後ろのペインティングの壁から抜け出てきたかのようにとてもかわいらしい。
通りを行き交う人もみんなおしゃれをしていて楽しそうだ。
今ブラックボトムがマーチングで現れて、あの壁をバックに演奏したらどんなに素敵だろうか。
そんなことを考えたり、ユキちゃんと語らったりしていると、いつまでそこにいても飽きることはなかった。
こういう過ごし方もあったんだなぁ。
私は今までいつも走っていた。
のんびり過ごすのはもったいないような気さえしていて、こんな時間の過ごし方を知らなかった。
目からウロコの楽しいひとときで、私とユキちゃんは一時間ぐらいずっとそこにいた。
それからまた原宿駅へ戻り、そこでユキちゃんとわかれた。
ユキちゃんの乗る電車が先に来て、私は「見送る方でよかった」と思いながら、去っていく電車に手を振った。

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