ごめんね100回

2017年11月16日 お仕事
介護の仕事をしているといろいろとイライラすることが多い。
今も介護施設のスタッフによる利用者さまの殺人事件がニュースを賑わせている。
動機は排泄の失敗と言われている。
排泄の失敗や、わけのわからないことを何度も言う、など普通に考えてイライラするポイントはたくさんあると思うのだが、私は「ごめんね」とか「ありがとう」とかをあまりにも何回も言われるとけっこうイライラしてしまう。
もちろんのことそれを言い訳に虐待とか増しては殺人するのがわかるというレベルの話では全然ないけど。
冒頭で殺人事件の話を出したのでちょっと誤解を招くかも知れないけどもそうではない。
スタッフによってイライラするポイントは違うが、他のスタッフにまったく共感を得られない私独自のイライラが「ごめんね」「ありがとう」の乱用である。
ホントに言う人は何回も言う。
一回の入浴介助で、大げさじゃなく100回くらい言う。
もちろん利用者さまの前ではイライラした気配は出していないし、せいぜい「そんなに何回も言わなくて大丈夫よー」と言うくらいしか打つ手はない。
入浴準備の段階からいろいろなパターンの「ありがとう」「ごめんね」が降って来る。「お風呂の準備しましょうねー。上がってからどの服着ましょうかね?寒くなってきたからこれにしますか?」というと「まぁお風呂?ありがとう」に始まり、タンスの中から一つ出す毎に「ごめんねー」「申し訳ありませーん」「すみません。そんなことまでしてもらって」と続く。
その度に「どういたしまして」とか「いいえー」とか「いいですよー」とか「はいよー」とかこちらもいろんなバリエーションで返す。
会話のほぼすべてがそれである。
もっといろんな話をしたい、とか、単純に「もう何回言うんだよ!」という気持ちでいつもイライラしてしまうのだ。
他のスタッフに聞いても全然イライラしないらしい。
その秘訣はいちいち全部に返さないことらしい。
「私せいぜい5回に1回くらいしか返しませんよ」
そうか、そのくらいでいいのかも?
真似してみると、確かにとっても気が楽になった。
愚痴半分の気持ちで相談したのになー。
やはり大ごとになる前にスタッフ同士で自分の気持ちや、介護上の悩みを話し合える職場内の雰囲気って大事だなと改めて思う。

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