介護の仕事

今日、利用者さまの入浴介助をしていたら科長が来て「Oさまのご家族さまが◯◯さん（SAKU）にお世話になったからご挨拶したいって来られてる」と。
Oさまとは、私が今の職場に入って初めて担当になった利用者さまで、その後、私が異動を繰り返し、担当を離れてから5年以上経つがたまに顔を合わせていた。
少し前からもう私と顔を合わせてもよくわかっていないようだったけど、やっぱり思い入れは強かった。
最近入院されたと聞いていたが、亡くなられたの？
恐る恐る科長に聞くと「先週の土曜日に亡くなられたよ」
そんなに前か。じゃあもう葬儀も終わったんだなー。行きたかったな。
そんなことを考えながらご挨拶に向かう。
とてもお世話になった息子さま。
「本当によくしていただいてありがとうございました」と私が提案したケアのひとつひとつにお礼を言ってくださった。
・舌の運動のために棒付きキャンディーを食べてもらう
・日付や簡単なことをノートに記入してもらい、そのときの状況や補足を私が記入する
・3ヶ月に一回、大好きなお寿司を食べに行く
・水分の入りが悪いので、朝のパンをパン粥にすることで水分を摂っていただく
・トイレに長く座ると太腿が便座にくっついてしまって立つとき痛いので、トイレに座る前に太腿にベビーパウダーをはたく
「細かいところにまで気を配ってもらってとても感謝しています」と、自分でも忘れていたようなことまで覚えていてくださってうれしかった。
こちらからもお礼を言い、入浴介助に戻る。
「ねぇねぇ、背中見て。どうもなってない？ちょっと痒いけど」
「痒いのここでしょ。掻いた痕がたくさんあるからすぐわかるよ」
2人でキャッキャ笑いながら身体を洗う。
「ねぇねぇ、背中見て。どうもなってない？どうも痒くって」
「掻いた痕がたくさんありますよー」
「そうじゃろー。ねぇちょっと背中どねぇもなってない？」
心の中で「何回言うねん」ツッコミながら、やっぱりこの仕事好きだなーと思う。