5／4　YASSYバースデーニューバース＜番外編＞

その日の朝、夜行バスで大阪に降り立った私は、時間を潰すために梅田のファミレスにいた。
前のテーブルには1組の男女。
2人は典型的な今どきの若い子で、女の子は金に近い茶髪。
ゆるいパーマだがトップにものすごくボリュームがある。
どうやったらあんな髪形になるのだろうか？
トップがぺシャンとなってしまうのが悩みの私はちょっと技術を教えていただきたいぐらいである。
薄手のショートコートにデニムの超ミニスカート、膝丈の革のブーツを履いていて顔もかわいらしい。
男の子は、黒にところどころミルクティー色のメッシュが入った長めの髪で、スカルのジップアップシャツに迷彩パンツ。
おしゃれだけど顔立ちそのものはイマイチである。
最初はカップルかと思ったがそうではないらしい。
話を聞くともなく聞いていると女の子はキャバ嬢のようだ。
男は客というわけでもなく、ホントにただの友達のようだ。
若いわりに嬌声を上げたりもせず、バカっぽいしゃべり方でもないのでわりと好ましく思っていた。
どういった話の流れか、男の子の方が「付き合ってからキスするまでに3ヶ月、Hするまでに1年。そういうのは俺らのオカンの世代や。昭和の女や」と言った。
ほほう。私はまさしく昭和の女か、と興味深く聞いていると、女の子の方はどうやら昭和の女を支持しているらしい。
男の子が「きちんと守り続けるっていうのは偉いと思うけどな」と言うと「そうやろ」と言っている。
私はその女の子を「立派！！」と思った。
「当たり前だ」と思わなかったところをみると、私は完璧に昭和の女というわけではなく、平成的な考え方もちょっとは身につけているようだ。
そういえば、私の人生、今、昭和と平成をちょうど半分ずつ生きているのだ。
考え方と時代は反映するものなのだなーと感心した。
あんまり「最近の若い子は」って、言っちゃいけないのかもしれない。