なんとなくさびしい気分になりながら4.14に向かう。
手前の交差点でバドガールのお姉さんが屋上ビアガーデンかなんかのフライヤを配っていた。
バドガールいえばバドワイザーの柄のボディコンシャスなミニのワンピースに身を包んだキャンギャルである。
コスプレ界でもわりと人気が高いと聞いたことがある。
でも、そのバドガールさんはなんだかちょっと違和感があった。
まず、一人ぼっちなのである。
夕方の交差点で、しかも5月にしては肌寒い気候の中、一人ぼっちでなんか配っている。
そして、よくみると「お姉さん」というにはちょっとトウがたっており、体つきもボディコンシャス仕様ではない。
太っているならまだいいが、そうではなく、メリハリがあまりにもない体つきであった。
そして致命的なのが、顔立ちがさびしげなのである。
要するにバドガールの衣装を着てもごちそう感のない人なのだ。
無理やりに笑顔を作ってフライヤを配ってはいるが、あまり受け取る人はいない。
推測ではあるが、本人は単なるビラ配りのバイトのつもりで来たのではないだろうか?
「それなのに、なんでこんなことになっちゃったんだろう。あたし。どうか知り合いに逢いませんように・・・」というカンジがありありなのである。
もはやさびしいを通り越してもの悲しいといった風情であった。
「なんかさー、もの悲しいよね」
もの悲しい気持ちのまま会場にインしてみると、クラブイベントなので、DJに合わせてフロアの真ん中で若い男女何人かがノリノリで踊っていた。
しかし、ノリノリのわりには、なんか探り探りなのである。
ヨコノリで高くなったり低くなったりしながら楽しげに踊ってはいるが、実は本来そんな器の人たちじゃないんじゃないかなというカンジ。
ブラックボトムのライヴもまだまだみたいだし、IGGYにあげるタバコでも買いに行こうかなと外に出ると、まだそこにはポツンと件のバドガールさんがいて、私たちはどうにもならないもの悲しさにメタメタにされてしまったのであった。

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