3/5 実技試験?

2006年3月7日
「では始めます」

「木村さん、こんにちは。本日お世話をさせていただく○○と申します。よろしくお願いします」
私の満面の笑みの声かけに目をきょろきょろさせながらうなずくモデルさん。
その様子を見て「ああ、このモデルさん慣れてないな」とちょっと心配になる。
モデルさんにもいろいろいて、反応も千差万別らしいのだ。
しっかり反応してくれる人や、うなずきすらしてくれない人、中には麻痺側を動かしたり、説明の段階でどんどん自分でやってしまってかえって自分の介護ができなくなってしまうパターンなどもあるらしい。
私のモデルさんは、多分私より緊張していた。
「木村さん、外はいいお天気ですよ。これから車椅子に乗ってお散歩へ出かけませんか?」
木村さんは意外と反応が遅い人でいちいちワンテンポ置いてうなずくので不安になる。
明らかに間違ったことをしようとすると、モデルさんによっては目で合図してくれたり、驚いた反応をすることがあると聞いていたので、こっちはいちいち「あれ?」と思うのである。
ちょっとやってるうちに「ああ、単にこういう人なのね」と気づいたが。
声かけを丁寧に行い、残存機能を生かすことを中心に考え介助して、側臥位から端座位に。
上着も着患脱健(患側から着せて健側から脱がす)に従い、左手は手伝って右手は自分で通してもらう。
「上着の前は止めますか?右手を使ってご自分でできますか?」と声かけして自分でやってもらったが、けっこう時間がかかってしまった。
そして車椅子への移乗方法を説明し、私は支える程度でほぼ自力で移乗してもらう。
一部介助が必要、というのがあいまいで、どの程度手を貸していいか迷ったが、口頭で動作を細かく説明したのでたぶん大丈夫であろう。
気分の不調はないか聞き、まず自分で右足をフットレストに乗せてもらう。
そして右手で左足を抱えてフットレストに乗せることが可能か聞こうとしたところで「試験時間は終了しました」と告げられる。
わぁ!時間切れ。

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