いきなりレアな宇部弁のタイトルで申し訳ない。
今日、患者さんに朝のお茶を配っているとSさんという患者さんが、隣のベッドの患者さんと何かしゃべっていた。
私がその部屋に入ったとき「・・・言われりゃせんいね」と言っているところだった。
・・・の部分は聞こえなかったのだが、私を見つけたSさんは「ねぇ、そねえなこと恥ずかしゅうて言われりゃせんいーねぇ?」と私に話を振ってきた。
ちなみに標準語で言うと「ねぇ、そんなこと恥ずかしくて言えやしないわよねぇ?」である。
「んー?なにが?」と聞くと、テレビを借りたいというのである。
あれ?と思い見ると、Sさんのベッドサイドにテレビがない。
確かこの前までSさんはテレビを借りていたと思ったのだが?
映りが悪いといってアンテナを調節したりしたので間違いない。
「あら?そういえばテレビないね。返したの?」
Sさんの話によると昨日の朝、返却したのだという。
大部屋の人はテレビを見るときはイヤホンを使用してもらう決まりになっている。
他の患者さんに迷惑をかけないためである。
「他の人がいいって言うからイヤホンをせんかったんやけど、看護婦さんに『いけません』って注意されて、それで私もカーッとなって『じゃあ返す』って言ったの」
いやいや、それは明らかにSさんに非があるぞ。
例えば2人部屋で、もう1人の患者さんがテレビを借りていないから「一緒に見せて」と言ったりしたなら話は別だが、Sさんは4人部屋である。
他の3人に「イヤホンなしで見ていい?」と聞いて、例えいいと言われたとしても、やはりイヤホンはするべきだと私は思う。
だって私だったら内心イヤでも「いいですよ」と言ってしまうと思うから。
病院は基本的に体の具合の悪い人が集まるところである。
まして急性期病棟だし。
具合が悪くてテレビの音が耳障りな人だっているはずである。
そうでなくても、自分がちゃんと決まりを守ってイヤホンで聞いているのに、イヤホンなしの人からテレビの音が聞こえていたら不愉快だと思う。
看護婦さんが注意に来たのは同室の誰かから密かにクレームが会ったからではないか?
なんとなくそんな気がした。

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