ということで、刃物をちらつかせた男と対決することもなく、無事に巣鴨へとたどり着いた。
駅に降り立った瞬間から、噂通りおばあちゃんだらけである。
地蔵通り商店街(すごいネーミングである)をぶらぶらと歩いてとげぬき地蔵方面へ。
右を見ても左を見ても、おばあちゃんたちが喜びそうなお店が並んでいて、そして目論みどおりおばあちゃんたちでにぎわっている。
毎月4のつく日が縁日らしい。
昨日じゃん!ちょっと残念。
とげぬき地蔵前に出店があったり、ベンチでひと休みできるスペースが大きくとってあるので、私もベンチに座ってマンウォッチング。
これは最近気づいたことなのだが、私は自分のことを知っている人が誰もいない場所で一人ぼんやりすることでかなりリフレッシュできる。
別に知っている人がいても気を張って生きているつもりはないし、知らない人ばかりだからといって悪いことをするわけでもないが「こんなにたくさん人がいるのに、誰も私のこと知らないんだなあ」と思うと、寂しさよりも奇妙な開放感の方が強く、知らない町のカフェでぼんやりしたり、文庫本を読んだりするのは私にとって大事なストレス解消法なのだ。
おばあちゃんたちは歩きやすそうな靴を履いて、背中にリュックを背負って、お茶を飲んだりタバコを吸ったりしながら、思い思いの時間をすごしている。
私は以前靴売り場で働いていたので、わりと人の履いているものに目がいくのだが、おばあちゃんたちの靴をよく見ると、子供用だったり、けっこう値のいいニューバランスのトレッキングシューズだったりする。
きっとメーカーとかそんなこと関係ないんだろうなあ。
自分にとってサイズが合って履きやすければ世間の分類なんかどっちでもいいんだろう。
そういうシンプルな物の選び方を早くできるようになりたいと思う。
そうなるには私はまだまだ邪念が多い。
たっぷりお年寄りを観察した後はとげぬき地蔵をお参り。
イチコが最近腕が痛いと嘆いているので、洗い観音の腕の部分をよーく洗う。
そして長寿と健康の根付をイチコへのお土産に、塩豆大福を美幸ちゃんへのお土産にそれぞれ買って巣鴨を後にした。
おばあちゃんの原宿はとても楽しかった。
イチコが元気なうちに一度連れて来ねば!

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