24時間テレビ?

2004年10月8日
しかし、私が今回の24時間テレビで一番感動したのは、車椅子トライアスロンであった。
村上慶太くんという19歳の男の子(でももっと年上に見える)が挑戦したのであるが、なんとこの慶太くん、車椅子生活を余儀なくされるきっかけとなった事故からまだ10ヶ月しかたってないというのだ。
去年の24時間テレビは健常者として観ていたという。
これはすごいことではないか?
車椅子生活を余儀なくされるほどの事故といえば、かなり大きな事故である。
ということは、事故をしてすぐに車椅子に乗るようになったわけではなく、しばらくは寝たきりの時期があったはずだ。
寝たきりで、オムツか、または差し込み便器(ちりとりのような形のものをお尻の下に差し込んで寝たまま排泄する)を使用したりしたのだろう。
19歳(当時は18歳だったかもしれない)の男の子にはこれはかなり辛いはずである。
毎日普通に楽しく暮らしていたのに、ある日を境に自分の人生がぷっつりと途切れてしまったように感じたのではないか。
そしてたぶん実際に車椅子生活を始めてからは、まだ半年くらいのはずだ。
その短い期間の中で、彼の心はどのように動いていったのであろうか。
事故をして、あっ!と思った。
次に気付いたときは病院のベッドの上だった。
ああ、自分は生きていた、と思ったら、その次にはきっと自分の家族に対して迷惑をかけて申し訳ない気持ちになっただろう。
そして早く元の自分に戻りたいと思った矢先「一生車椅子だ」と言われたら、その絶望はどれほどだったろうかと思う。
周りの人の励ましも耳に入らなかっただろう。
立ち直ったとしてその先に何があるのか、それを彼に教えてくれたものはいったいなんだったのだろう。
私がそういう事態に陥ったとき、100万回の「ガンバレ」よりも価値がある励ましをくれるのはなんだろうか。
きっとそれはあれだろう、これだろう・・・そう思いをめぐらせるだけで涙が出てきた私だが、ゴールした慶太くんはすがすがしい顔をしていて、いろんなことを通り抜けてきた貫禄があった。
19歳の男の子に、私は前を向いて生きることを教えられた。

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