そしてまたサニーが去り、同じようなやり取りの後、「Oh yeah」。
Oh yeah!の掛け声の前辺りでまたサニーが出てきて、マシンサニーに触ると後ろのスクリーンに「Oh yeah!」と文字が出た。
それにあわせて会場も「Oh yeah!」。
最初は曲にあわせてマシンサニーのボタンを押していたサニーだが、そのうち関係ないところでも「Oh yeah」を連打。
さらに「ばびぶべぼー」などまったく関係ない言葉がスクリーンに現れ、ファンもその言葉を叫ぶにいたって3人もようやくサニーに気付き、サニーはマシンサニーについていたダンボールの耳を引きちぎっていた。
その姿が「オレは、こんな機械なんかじゃない」というクロベエの叫びのように見えた。
メンバーの問いかけにすべてスクリーンの文字で答えるクロベエ。
呂律がますます回らなくなっちゃってるのか、もう声も張れなくなっちゃってるのかわからないけど、とにかくクロベエは一言も発さなかった。
アンバサダーの「4人でやろうよ」の言葉にも「うるさい」「いやだ」と反抗的な言葉を繰り返すサニー。
でもファンのサニーコールに気をよくし、クロベエはドラムセットの前に座った。
4人揃って演奏する曲はもちろん「アブラーズのテーマ」。
いつもどおりのクロベエの渇いたドラムの音。
チェッカーズ時代、身体は細かったけど、腕だけはたくましかったのに、その腕も今は枝のようになってしまっている。
肩から、シルバーのスーツに不釣合いな、青と赤のペットボトルケースみたいなものが下がっている。
それはあまりにも唐突で、きっと何らかの医療器具なんじゃないかと想像できた。
私は笑顔で観ているつもりだったけど、やっぱり目からはじわじわと涙が流れてきていた。
横にいためぐが、私の顔とステージを交互に見ていた。
めぐは「これが最後になるかも」と思ってしまったことをすぐにうかがわせる勢いでクロベエの姿を瞳に焼き付けていた。
しかし、私や他のファンにみんなも「もしかしたらこれが最後になっちゃうかもしれないけど、でも絶対にそんなことはないって信じよう!」と思っているであろう悲しい笑顔でステージを見つめていた。
♪アブラーズ アブラーズ アブラーズ
 俺たちサイコー!! Yeah!!

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