マジでー!?
「あの、あと2人いるんですけど、いいですか?」
「はい、いいですよ。どうぞー」
私は大慌てで車の中にいた2人を呼びに行った。
事務所を通り抜けて控え室に。
FM山口のかわいいお姉さんは私たちにも控え室に入るように促してくれたが、「いえ、あの、私そんなんじゃないんですー」と言葉を濁し、控え室の前のソファセットのあたりでもじもじしていた。
お姉さんは私に名刺までくれたが(それによると彼女はマミちゃんという名前であった)、私は「あ、すいません。私、名刺がないので・・・」と言って詫びた。
正直名刺を持ってなくはなかったのだが、私の住所氏名電話番号アドレスなどをすべて白日の元に曝した挙句、「IGGY大好き」などと書かれ、裏には私とIGGYの2ショットのシールが貼ってある名刺をもらってもきっとマミちゃんも困るだろう。
マミちゃんは、私がいったい何者なのかを図りかねているようで(そりゃそうだろう)、「福田さんのところの方ですか?」とか、「いつもお手伝いされてるんですか?」とか質問してきたが、残念ながら私はしがない単なる1ファンである。
申し訳ない。
こんな単なるファンの私たちにも冷たいお茶が振る舞われ、私たちは緊張のまま、控え室前のソファセットに腰を落ち着けた。
そこからは控え室の中が少し見える。
様子をうかがいながら、「ドリンクはいつ買ったらええん?萩まではとてももたんのやけど?」とか「トイレ行きたいけど、ここのトイレ借りてもええかねえ?」とかこそこそ話していると、なんと王子さんの座っていた椅子の接続が壊れたらしく、王子さんがひっくり返った決定的瞬間を見てしまった。
キャラに似合わないズッコケポーズ。
でも、その後の照れた様子がとても王子さんらしかった。
私たちのソファのところに来てくれたメンバーと話をしたりしていると、パーソナリティーの井村由美子さんが来て軽く打ち合わせ。
その後、いよいよ出番ということでスタジオのある2階へと上がっていくメンバー。
「いってらっしゃーい」と余裕で見送っていると、またマミちゃんがやってきて言ったのであった。
「ご一緒に上へどうぞー」
ええーっ!!

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