まだ午前中なのにチキンの中にはめちゃめちゃ人の気配が濃厚である。
しかもたくさん。
楽器の音も聞こえてくる。
「あちゃー、もう入っているメンバーいるね」
IGGYはわりと入りが早いほうなのでもう入っているかもしれない。
しくった!
IGGYに逢いたいと思う気持ちもさることながら、なにしろプレゼントが巨大なので絶対にライヴ前に渡しておきたかったのだ。
コインロッカーにも入らないほどの大きさである。
しかしIGGYはいったん入ってしまうとなかなか出てこない人なので、まだ入っていないことを神に祈りながらひたすら待った。
今年の冬は暖冬なのに、なぜか今日は狙ったように寒い。
風も強く、この私ですら寒いと思う気候である。
たぶんフンボルトペンギンなら「ちょうどいい」というぐらいの寒さであろう。
私は異常なほど寒さに強いが、それとちょうど対極なぐらいの異常さでナツコちゃんは寒さに弱い。
本当につらそうだった。
たぶん季候に対するスタンスが標準と思われるヒロコちゃんもかなりつらそうだったので、ナツコちゃんのつらさは推して知るべしである。
途中、王子さんとか、YASSYとか、コーくんが坂の下から現れたが、荷物を持っていなかったので、きっといったん入ってから外に出ていたのだろう。
今日のゲストミュージシャンのスカポンタスやブリスカのメンバーや、ジャンボさん、花*花も集まり始めたところを見ると、ブラックボトムはもう全員入っているようだ。
あー、もう、この荷物どうしよう。
ナツヒロは自販機でホットドリンクを買い、カイロ代わりにしたり、飲んだりして、ささやかな暖を取っていたが、さすがに限界が来て、2時過ぎぐらいにお土産を買いに行きがてら席をはずした。
でも私はそのちょっとの隙にIGGYが出てくるかも・・・と思い、ずっと待っていた。
しかしそんなこともないまま、ナツヒロは戻ってきた。
そろそろ私たちもライヴ前の腹ごしらえをしなくてはいけない時間である。
3時半ごろにクリちゃんとショウコちゃんから「一緒にお茶でもどうですか?」とメールが入り、2人が現れたので、私ははなはだ失礼ながら通りかかったジャンボさんに「IGGYに渡してもらえませんか?」とプレゼントを預け、その場を離れた。
クリちゃんとショウコちゃんに「お茶ではなくなんかあったかいものを」と懇願し、行きつけのうどん屋さんに連れて行ってもらった。
鍋焼きうどんもお店のおばちゃんもほっこり温かいうどん屋さんで私たちはようやく息を吹き返したのであった。

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