8／21　「忘れないで」＠ドリカム

さんざん泣いて、ようやく泣き止んだとき、私はある人から声をかけられた。
それはIGGYが結婚する相手のマチャコさんであった。
今まで話をしたことは多分ないと思う。
きっと私のあまりの号泣っぷりにいたたまれなくなったのであろう。
「ねぇねぇ、SAKUちゃん」と、初めてとは思えないくらい何気ないカンジで声をかけてきたマチャコさんだったが、けっこう勇気が必要だったのではないだろうか？
私がマチャコさんだったらこんな女、絶対シカトである。
でも、マチャコさんは自分の方からアプローチしてきてくれた。
それは素直にうれしいが、やっぱり胸中は相当複雑だった。
しかし、「ねぇねぇ、SAKUちゃん」の続きが「アブラーズ行くんでしょ」だったために、私はたちまち話に夢中になっていった。
「もちろん！！行きますよ！！」
なんとマチャコさんは第2回享ゼミに参加していたというではないか。
私はさっきまで大泣きしていたことも忘れ、化粧が取れてのっぺりしてしまった顔をものともせず、トオルについてバカみたいに激論していた。
くそー、そう来たか。
トオルの話で攻めてくるとは、ずるいというか、うまいというか・・・。
そのとき、ふとマチャコさんの肩越しにIGGYの姿が遠く見えた。
私たちが話をしているのを遠くから見ていたIGGYの、ちょっとうれしそうな顔がわりと忘れられない。
お開きになると、IGGYがもう一度私に「SAKUちゃんも早よええ人見つけなあかんで」と言ってきた。
無理ー。
っていうか、いい人は見つけてるんだけど、そのいい人からまったく相手にされなかったのだ。
そして、そのいい人とはあなたです。
でもIGGYの気持ちはホントに伝わった。
ありがとう。
でもそれだけにつらかったのである。
その後アントンハイセルのみんなとジョナったのだが、ジョナサンに行く途中も私はずっと泣いていた。
そして泣きながらめぐにTELした。
「IGGYやっぱり結婚するって。だからSAKUちゃんも早くいい人見つけろって言われた。そんなの無理と思わん？♪幸せな〜恋をと言うなら　どうか教えて〜　あなたなしで　どこにある〜の　　ん？この曲誰やったっけ？あ、ドリカムか。今度失恋傷心カラオケ行こうや」
嗚咽しながらこんなバカなことをべらべらしゃべっていたが、こんなバカなことでも言わなければつらくて耐えられない私の気持ちは、めぐにはきっとわかっていたと思う。