IGGYが結婚するという雰囲気がどのように会場内を占めていたかはあえて省くが、ほぼ間違いないカンジであったため、私は非常に狼狽し、めぐにTELした。
めぐは別にIGGYファンでもないくせに、IGGYの結婚に関して私以上に否定的で、以前から「絶対に嫌だ」と言っていた。
だから今回も「IGGYの方から言ってくるまで、こっちからは絶対にそのことに触れるな」と言われた。
私は「わかった」と言ってTELを切ったものの、かなり早い段階でこちらからIGGYに「IGGY結婚するん?」と聞いてしまった。
IGGYは一瞬言葉に詰まったものの、すぐに私の目をちゃんと見て「うん・・・、やから、SAKUちゃんもええ人を見つけなな」と言った。
しかし、私には「うん・・・」という部分の衝撃が強すぎて、他の事は考えられなかった。
「うん・・・」の部分だけ聞いて、私はすでに泣いていた。
失礼なやつだ。
でも涙は止まらなかった。
「本人を目の前にしてそんなに泣くか、普通?」というぐらい泣いた。
どのくらい泣いたかというと、ハンカチを絞ったらハンカチが泣いたぐらいである。
最初は確かに、IGGYが結婚してしまうことがただただ悲しくて泣いていた。
しかし、だんだん私の涙は温かい涙に代わっていった。
それは、IGGYが私に早くいい人を見つけて幸せになってほしいと、どうやら心から思ってくれているらしいことが伝わってきたからである。
IGGYは意外にもまったくごまかさなかった。
勝手に好きになっただけの私なのに、IGGYは気にかけてくれていた。
そう思うと涙はいくらでも出てきた。
私の今年の懸念事項がIGGYの結婚だったように、IGGYにとっては結婚に対する私の反応が懸念事項だったのかもしれないなと思った。
IGGYごめんね。
それでもやっぱり涙は出るのだ。

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