SAXの組み立てに、意外な段階で挫折した私は、仕方ないのでハナからぴかぴかのSAXをまた更に磨いたのちケースに戻した。
さてこれからどうしようかな。
まだメンバー来てないだろうしな。
家にいても落ち着かないのでめぐのところでも冷やかしに行くか・・・と化粧をし始めた昼下がり、私の携帯が鳴った。
この「かわいいアイシャ」のメロディは、福田さんからではないか。
なになに?ブラックボトム?
慌てて出るとやはり福田さんからであった。当たり前だけど。
「ブラックボトムの立ち位置ってどうだっけ?」という用件であった。
おまかせください。
なんなら私が出逢った頃からの立ち位置の歴史語ろうか?と思ったが、きっと今は忙しいだろうと思い、今現在の立ち位置だけを告げるにとどめた。
福田さんからの電話を切ったらますますテンションが上がってきた。
さてはホントに来るね?
こらえきれなくなった私は化粧もそこそこに家を飛び出し、めぐの勤務先のショッピングセンターに向かった。
そこまで行く途中にサザンクロスがあるので、一応前を通って見た。
福田さんからだいたいの入り時間を聞いていて、まだまだぜんぜん早かったのだが、ただ行ってみたかったのである。
やはりまだ気配はない。
「フフフ、まだ来てないね」なぜかわからないが笑いが出た。
めぐと顔を合わせても、お互い出てくる言葉は「どうしたらええん?」のみである。
別にどうもしなくてもブラックボトムはやって来るのだが、それでも言わずにはおれなかった。
それからめぐとご飯を食べ、ご飯の間もずっと
「MONKYかっこええんやろーなー」
「ああ、どうしたらええん?」
と延々くりかえしていた。
まったく埒があかないので、ご飯を食べ終わると家に帰ることにした。
なにしろ化粧もぜんぜん中途半端だ。
ブラックボトムに逢う支度の最後の詰めをしなければ・・・。
「ブラックボトムに逢ったらすぐにメールをしてね」というめぐの声に見送られ、私はショッピングセンターを後にした。
家への帰り道で、またサザンクロスの前を通ってみた。
今度は来ていても全然おかしくない時間なので、ドキドキしつつ徐行。
すると駐車場にブラックボトム号があるではないか。
もう来てるー!
ストーカーな私は車の中をのぞこうと思い、車を駐車場の中に入れようとした。
するとなんとビックリ!ブラックボトム号の陰にYASSYがいるではないか。
私は慌てて窓を開け「YASSY−!!」と声をかけた。
でもYASSYの反応はイマイチ鈍く「ああ、SAKUちゃん」と小さく手を振る程度であった。
ん???
仕方ないので「また夜にねー」と言って、なーんかおかしいなー?と腑に落ちない気持ちながらもとりあえず帰宅したのであった。

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