タバコ犯

2003年7月4日
今朝、出勤するといきなり主任に「○○さん、タバコ吸う?」とかなり尋問口調で訊かれた。
「いや、吸わないですけど」
「そうなん」
それだけ言うと主任は私に背を向け立ち去った。
かなり失敬な態度である。
主任の名誉のために言うと、いつもはこんな人ではない。
もっとちゃんとした人である。
なんじゃそりゃ???と思いつつ、早番で出てきていたムラシタさんに「今、主任にタバコ吸うかって聞かれたけど何?」と聞いてみた。
どうやら、シャワー室にタバコの吸殻が入った空き缶があったらしい。
シャワー室というのは我が4階にあるが、4階には使用する患者さんはおられない。
救急病棟の患者さんが手術前にたまーに入ったりするぐらいで、後は患者さんの食事用のエプロンや、私たちの入浴介助用の服を干したりする物干し場と化している。
そこに吸殻の入った空き缶があったという。
うちの病院は院内全面禁煙である。
喫煙者は休憩時間に駐車場まで行き、自分の車でタバコを吸ったりしている。
夜勤のときは仮眠時間に吸いに行ったとしても7,8時間は吸えない計算になる。
私はいいが、タバコを吸う人はたいへん気の毒だと思っていた。
たまにイノウエさんが夜勤の次の日など、食堂にタバコの灰らしきものが落ちていることがあって、「ああ、イノウエさんが夜勤のとき吸ったんだな」と思う日もあった。
でも私は別にそれが悪いこととは思っていなかった。
いいじゃん長い夜勤の間にタバコの1本や2本吸ったってさあ。
しかし院内の喫煙がバレれば懲罰の対象となる。
主任も犯人を探そうとしているのだろう。
でも多分それはことが公にならないうちに該当者に自覚させることが目的だと思われる。
ムラシタさんはタバコは吸わないが、さも吸いそうな外見なので、主任からけっこう長めの尋問を受けたらしい。
ならば犯人は誰か?
日勤帯でわざわざシャワー室でタバコを吸う人はいないと思われるので恐らく夜勤に入る人であろう。
その中でタバコを吸うとなるとイノウエさん、タケイさん、スコ、アビコさんと言ったところであろうか。
しかし、主任情報によると吸殻には口紅がついていたというのだ。
ということは犯人は女か?
上記の中で女はタケイさん1人である。
となるとホシはタケイさんに決定!
と思われたが、ところがドッコイ、タケイさんはまったく化粧をしない人なのである。
一気に事件は迷宮入りである。
タバコを吸わないにもかかわらず犯人扱いされたムラシタさんが「DNA鑑定をしてでもはっきりさせてほしい!」と言ったほど、こんな些細な事件が私たちの中に遺恨を残したのであった。

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