5／5　またね

ANTONさんがトイレに入ったまま、出てこなかったので心配していたが、あまりに遅いので、もう私が見てないうちにゲートをくぐってしまったんだなと残念に思った。
そろそろ私も送迎デッキに向かおうかなと思った(とことん見送るつもりである)出発3分前、なんとANTONさん、トイレからご帰還。
まだおったんかい！
ANTONさんは私のほうを見ておなかを押さえ、おなかの調子が悪いというジェスチャーをした。
そうでしょうね。
その後ようやくANTONさんは手荷物検査場に向かい、ゲートをくぐると、振り向いて笑顔で大きく両腕を上に上げた。
私はあわてて手を振り返したが、そんなANTONさんの優しさがうれしくて、胸がいっぱいになっていた。
その後、私も、今度こそホントに送迎デッキへ。
ブラックボトムの乗った飛行機がじりじりと動き出した。
さっきYASSYに逢ったときに「おっ、SAKUちゃん、今から東京に行くんや」と言われ、「いや、行こうかと思ったけど満席だったんですよー」と言って笑っていたのだが、実はホントにチラッとそう思わないでもなかったのだ。
明日も休みだし、一緒の飛行機に乗って・・・と考えて昨日ネットで調べてみたがホントに満席で、半分残念で、半分ホッとした。
やっぱ、そこまでやっちゃ問題ありだ。
だけど、飛行機が動き出した瞬間、やっぱり一緒に行きたいと思い、どうにもならない寂しさに身もだえした。
そんな私の気持ちも知らず飛行機はどんどん加速していく。
こんな短い滑走路で充分に加速できるのかと心配したが、飛行機は難なく飛び立ち、大きく大きく旋回して、雲の向こうへと消えていった。
もう私ができることは飛行機が落ちずに無事に到着してくれることを神に祈ることぐらいである。
私が家に帰り着く頃、ちょうどブラックボトムも東京に帰り着くであろう。
あー、楽しかったな。
私がそう思ったようにメンバーも今頃飛行機の中でそう思っていてほしいと思った。