5/4 バルン自己抜去
2003年6月4日長い長い夜勤が、やっともうすぐ終わろうとしていた。
小倉にブラックボトムが来ていると思うだけで夜勤の間も落ち着かなかった。
夜は白々と明けていった。早番の人がやってきて、患者さんの朝食も終わり、後は朝のオムツ交換である。
平日は、夜勤者は朝のオムツ交換には入らずに、食堂の掃除をするのだが、日祭日は出勤者が少ないために夜勤者も入らなければいけない。
しかし、これが終わるとお役御免である。
拘束時間は9時までで、10時にはビキとリエちゃんが家の前まで来てくれることになっている。
それまでに私はひと風呂浴びねばならない。
9時きっちりに病棟を出ても相当ぎりぎりである。
しかし患者さんのオムツ交換が終わらない限りは帰ることはできない。
私はいつもに増してすばやくオムツを換えていき、残るはK石さんだけとなった。
他の補助看に「いいよー、K石さんは私が換える。K石さん換え終ったら帰るけぇ」と宣言し、K石さんの部屋に入った。
その時点で9時ジャストである。
「さぁ、K石さん、オムツ換えるよー」
オムツカバーのマジックテープをバリッとはがし、布オムツを見るとなんと血がついていた。
「はぁっ!?何これ??」
K石さんは57歳でもう生理はとっくにない。
しかし、本人は生理妄想があり「今日は生理だから」と入浴を拒否したり、尿取りパットのことをナプキンだと思っていて、リハビリのときには必ず胸元に尿取りパットを忍ばせて行くのだ。
そんなK石さんだけに私は混乱した。
この血は何?
落ち着いてよく見ると、なんとK石さんはバルンカテーテルを自分で引き抜いていたのであった。
K石さんは導尿のために尿道にバルンが入っている。
よく異物感があって気持ち悪いと言っていたがまさか抜いてしまうとは。
だって尿道をプチトマト大の物がすり抜けるのである。
考えただけで「うっ」と股間に力が入る。
そりゃ血も出よう。
困ったことになってしまった。
私は迷った。
このまま何事もなかったことにしてオムツカバーを閉めてしまおうか・・・。
しかし、そんなことができるはずはなかった。
私は急いで看護婦さんを呼びに行き、処置の手伝いをした。
やれやれ、すっかり遅くなってしまった。
勘弁してよ、K石さん。
小倉にブラックボトムが来ていると思うだけで夜勤の間も落ち着かなかった。
夜は白々と明けていった。早番の人がやってきて、患者さんの朝食も終わり、後は朝のオムツ交換である。
平日は、夜勤者は朝のオムツ交換には入らずに、食堂の掃除をするのだが、日祭日は出勤者が少ないために夜勤者も入らなければいけない。
しかし、これが終わるとお役御免である。
拘束時間は9時までで、10時にはビキとリエちゃんが家の前まで来てくれることになっている。
それまでに私はひと風呂浴びねばならない。
9時きっちりに病棟を出ても相当ぎりぎりである。
しかし患者さんのオムツ交換が終わらない限りは帰ることはできない。
私はいつもに増してすばやくオムツを換えていき、残るはK石さんだけとなった。
他の補助看に「いいよー、K石さんは私が換える。K石さん換え終ったら帰るけぇ」と宣言し、K石さんの部屋に入った。
その時点で9時ジャストである。
「さぁ、K石さん、オムツ換えるよー」
オムツカバーのマジックテープをバリッとはがし、布オムツを見るとなんと血がついていた。
「はぁっ!?何これ??」
K石さんは57歳でもう生理はとっくにない。
しかし、本人は生理妄想があり「今日は生理だから」と入浴を拒否したり、尿取りパットのことをナプキンだと思っていて、リハビリのときには必ず胸元に尿取りパットを忍ばせて行くのだ。
そんなK石さんだけに私は混乱した。
この血は何?
落ち着いてよく見ると、なんとK石さんはバルンカテーテルを自分で引き抜いていたのであった。
K石さんは導尿のために尿道にバルンが入っている。
よく異物感があって気持ち悪いと言っていたがまさか抜いてしまうとは。
だって尿道をプチトマト大の物がすり抜けるのである。
考えただけで「うっ」と股間に力が入る。
そりゃ血も出よう。
困ったことになってしまった。
私は迷った。
このまま何事もなかったことにしてオムツカバーを閉めてしまおうか・・・。
しかし、そんなことができるはずはなかった。
私は急いで看護婦さんを呼びに行き、処置の手伝いをした。
やれやれ、すっかり遅くなってしまった。
勘弁してよ、K石さん。
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