看護婦さんは看護婦さん、学生さんは学生さん同士、自分と同じ職種の新入職員にはそれぞれいろいろ思うところがあるようであるが、やはり私も新人補助看には思うところがおおありだった。
おおあり名古屋は城でもつ。それは尾張か。
それはいまどきに若い子がみんなそうなのか、マツムラさん、ヤマナカさんが特別なのかよくわからないのだが、私が18歳の新入社員だった頃とは真剣さがまるで違う。
私の当時の日記を読んでみると、新入社員研修の厳しさに泣きながらも、研修で自分がやったこと、叱られたことについて深く考えたり、反省したりしている。
私は新入社員の頃、第一印象の悪さや、髪型の派手さなどから、初日から先輩社員にみんなの前で名指しで生意気だと言われた。
「ヤンキーが入ってきた」とも言われた。
しかし、私は卒業時には体育功労賞までもらったほど剣道をがんばっており、どちらかといえばまじめなほうだった。
ヤンキーだった歴史は1日もない。
しかし、その後まじめに研修をがんばるうちに、私をヤンキーだといっていた先輩から「第一印象だけでヤンキーだと思ってごめんね。ホントは人一倍がんばり屋さんだね」と言われ、徐々に受け入れられた。
自分がそんなであったから、さあ、あなたたちもがんばって私に認められなさい!と思っていた。
よく考えればすごい言いぐさであるが。
それにしても彼女たちの態度の馴れ感とか、なあなあさとかいうのを「世代の違い」ということだけで片付けてもいいものだろうか?
なにしろ初日からイノウエさんのことを「イノウエくん」呼ばわりである。
イノウエさんというのは今の4階の実質的なリーダーである。
年は24歳でボクちゃんみたいな顔をしているが、彼女たちからすれば年も6つも上で、職員としても先輩である。
そんなイノウエさんに「イノウエくん」ってことはないだろう。
イノウエくんだとぅ!?
私は過敏に反応し振り向いた。
言われたイノウエさん本人もさすがに不快そうな顔をしていたが、なにも言わなかった。
イノウエさん本人がなにも言わないのに、私がくってかかるのもおかしいかと思いそのままにしておいたが、よく考えるとイノウエさん本人が「俺のことをイノウエさんって呼べ!!」って注意するのもおかしな話ではあるが。

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