洗礼?
2002年12月29日「4階の患者さんが亡くなったから、ちょっと上に上がってくるね」
その言葉を聞いて私はとても動揺した。
なんで?
10時半のオムツ替えのとき、いっぱいおしっこしてたじゃん。
3階の補助看さんに身体の向きを変えられて「痛い」って言ってたじゃん。
ちゃんと意識もあって、ちゃんと生きていたじゃん。
そんなことが頭をぐるぐる回っているのに、手は患者さんのオムツを替えている。
そして、もう一度頭の中で、エンゼルセットの場所を確認したりもしていた。
私っていったいなんなんだろう。
3階の患者さんのオムツを替え終わり、4階にあがると、さっきまでの静かな喧騒すらなくなり、本当に静まり返っていた。
一室一室オムツ替えをしていき、T田さんのいたB−2にたどり着いた。
そこにもうT田さんのベッドはなかった。
オムツ替えが終わり、ナースステーションに戻ると、ICUでT田さんのエンゼル処置が行われていた。
私が戻ってきたので、3階の看護婦さんは下に下り、私とフクヤマさんで処置を続けた。
身体をきれいに拭かれ、綿を詰められ、死に化粧をされたT田さんは、使い古された表現ではあるが、本当に眠っているようだった。
すっかり処置の終わったT田さんの姿を横目で見ながら、それでも淡々とオムツノートをつけたり、ナースステーションの掃除をした。
涙がポタポタと床に落ちたので慌ててモップで拭く。
落ち着いて仕事をしているとフクヤマさんにほめられたが、私は本当にどうしていいかわからず、ただ目の前の仕事を一つ一つ片付けていく肉塊であった。
そのうちT田さんの家人さんと、葬儀屋さんがやってきた。
T田さんの荷物をまとめ、葬儀屋さんのストレッチャ―にT田さんを移した。
最後に触れたT田さんの身体は、意外なことにまだ温かく、私はつい「あっ!」と声をあげてしまった。
T田さんは温かいまま、老衰で死亡退院して行った。
さようなら。T田さん。
私は、夜勤2回目にして、悲しき洗礼を受けてしまったのであった。
その言葉を聞いて私はとても動揺した。
なんで?
10時半のオムツ替えのとき、いっぱいおしっこしてたじゃん。
3階の補助看さんに身体の向きを変えられて「痛い」って言ってたじゃん。
ちゃんと意識もあって、ちゃんと生きていたじゃん。
そんなことが頭をぐるぐる回っているのに、手は患者さんのオムツを替えている。
そして、もう一度頭の中で、エンゼルセットの場所を確認したりもしていた。
私っていったいなんなんだろう。
3階の患者さんのオムツを替え終わり、4階にあがると、さっきまでの静かな喧騒すらなくなり、本当に静まり返っていた。
一室一室オムツ替えをしていき、T田さんのいたB−2にたどり着いた。
そこにもうT田さんのベッドはなかった。
オムツ替えが終わり、ナースステーションに戻ると、ICUでT田さんのエンゼル処置が行われていた。
私が戻ってきたので、3階の看護婦さんは下に下り、私とフクヤマさんで処置を続けた。
身体をきれいに拭かれ、綿を詰められ、死に化粧をされたT田さんは、使い古された表現ではあるが、本当に眠っているようだった。
すっかり処置の終わったT田さんの姿を横目で見ながら、それでも淡々とオムツノートをつけたり、ナースステーションの掃除をした。
涙がポタポタと床に落ちたので慌ててモップで拭く。
落ち着いて仕事をしているとフクヤマさんにほめられたが、私は本当にどうしていいかわからず、ただ目の前の仕事を一つ一つ片付けていく肉塊であった。
そのうちT田さんの家人さんと、葬儀屋さんがやってきた。
T田さんの荷物をまとめ、葬儀屋さんのストレッチャ―にT田さんを移した。
最後に触れたT田さんの身体は、意外なことにまだ温かく、私はつい「あっ!」と声をあげてしまった。
T田さんは温かいまま、老衰で死亡退院して行った。
さようなら。T田さん。
私は、夜勤2回目にして、悲しき洗礼を受けてしまったのであった。
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