洗礼?
2002年12月28日10時半のオムツ替えでT田さんの部屋を訪ねたとき、私は隣のベッドのT石さんのオムツを替え、T田さんのは3階の補助看さんが替えていた。
T田さんがお茶を飲ましてくれと言わないかと様子をうかがっていたが(夜間のオムツ替え中に他の用事を頼まれることはかなり面倒なことなのだ)、今日は言わなかったので少しほっとした。
その後、仮眠から戻ると準夜勤から深夜勤の看護婦さんに代わっていた。
今日の深夜の看護婦さんはフクヤマさん。
私より少し年上の看護婦さんである。
「夜勤に入ってるってことは・・・、物品の位置とか教わった?」
物品というのは、吸引グッズ、ネブライザー、急変セット、エンゼルセット(死後の処置をする道具)などである。
「はい、一通り教わりました」
「エンゼルの場所は?」
「S−5の前の開きの中ですよね?」
そんな会話の直後、巡視に行ったフクヤマさんにナースコールで呼ばれ、B−2(T田さんの部屋)を訪室すると、T田さんは呼吸をしていなかった。
「今こういう状態だから、4時のオムツ替えに行くのはちょっと待って!」
フクヤマさんにそう言われ、3階の補助看さんにその旨伝えに行く。
なんでー!?4階で亡くなっていく人なんかそうそういないって言ったじゃん!
エンゼルセットの場所も、「一応教えておくけど私はここで2年半働いてても自分が夜勤の時に患者さんが亡くなったことってないよ」って言ってたじゃん!
ナースステーションの中、一人でそんなことを心の中で繰り返していた。
ドクターもやってきて、ただ事ならぬ気配が駆けぬけて行ったあと、フクヤマさんがナースステーションに来て言った。
「オムツ替え、行っていいよ。もしかしたら途中で呼ぶかもしれないけど」
オムツ替えに行っていいということは、T田さんはとりあえず息を吹き返したか、亡くなってしまったかのどちらかであろう。
それがどっちなのか怖くて聞けないまま、私は3階に下りた。
そして3階の患者さんのオムツを替えている途中に、3階の看護婦さんの「4階の患者さんが亡くなったから、ちょっと上に上がってくるね」という言葉によって、私はT田さんが亡くなってしまったことを知ったのであった。
T田さんがお茶を飲ましてくれと言わないかと様子をうかがっていたが(夜間のオムツ替え中に他の用事を頼まれることはかなり面倒なことなのだ)、今日は言わなかったので少しほっとした。
その後、仮眠から戻ると準夜勤から深夜勤の看護婦さんに代わっていた。
今日の深夜の看護婦さんはフクヤマさん。
私より少し年上の看護婦さんである。
「夜勤に入ってるってことは・・・、物品の位置とか教わった?」
物品というのは、吸引グッズ、ネブライザー、急変セット、エンゼルセット(死後の処置をする道具)などである。
「はい、一通り教わりました」
「エンゼルの場所は?」
「S−5の前の開きの中ですよね?」
そんな会話の直後、巡視に行ったフクヤマさんにナースコールで呼ばれ、B−2(T田さんの部屋)を訪室すると、T田さんは呼吸をしていなかった。
「今こういう状態だから、4時のオムツ替えに行くのはちょっと待って!」
フクヤマさんにそう言われ、3階の補助看さんにその旨伝えに行く。
なんでー!?4階で亡くなっていく人なんかそうそういないって言ったじゃん!
エンゼルセットの場所も、「一応教えておくけど私はここで2年半働いてても自分が夜勤の時に患者さんが亡くなったことってないよ」って言ってたじゃん!
ナースステーションの中、一人でそんなことを心の中で繰り返していた。
ドクターもやってきて、ただ事ならぬ気配が駆けぬけて行ったあと、フクヤマさんがナースステーションに来て言った。
「オムツ替え、行っていいよ。もしかしたら途中で呼ぶかもしれないけど」
オムツ替えに行っていいということは、T田さんはとりあえず息を吹き返したか、亡くなってしまったかのどちらかであろう。
それがどっちなのか怖くて聞けないまま、私は3階に下りた。
そして3階の患者さんのオムツを替えている途中に、3階の看護婦さんの「4階の患者さんが亡くなったから、ちょっと上に上がってくるね」という言葉によって、私はT田さんが亡くなってしまったことを知ったのであった。
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