モーニング娘。「ピンチランナー」?

そんな境遇の7人が、自分の境遇の中からそれぞれ何かを吹っ切る、またはつかむために駅伝に出場するというのがこの映画の肝である。
駅伝のシーンは実際に「ひたちなか全国女子駅伝大会」に出場してその様子を撮影したということで話題になった。
私が一番心に残っているシーンは、父親のしつけという名の暴力に我慢できなくなった市井が、なっちの家に身を寄せ、なっちの母親の松坂慶子と筆談するシーンである。
とにかく松坂慶子きれい！
一時期ちょっとヤバイ時期があったが、見事に持ち直した。
市井が自分の父親のことを松坂に打ち明け、あなたはとてもいいお母さんだと松坂のことを誉めるのだが、でも松坂は「あゆみ（なっちの役名）は私のことを嫌っている」とスケッチブックに書く。
なっちは両親の離婚や、自分が昔リレーでバトンを落としたことを、心の中でお母さんのせいにしており、母娘関係はあまりうまくいっていなかったのだ。
注目すべきは松坂慶子の字がきれいではないことである。
ある意味とてもリアル。
それに対し市井が「違う」と首を振り、きれいな読みやすい字で「大好きだから悩んでいる」と書く。
泣ける。
そして松坂はまたきれいではない字で「お父さんはマホチャン（市井の役名）のこと」と書き、上の市井の文字と矢印で結んだのである。
泣け泣けである。
市井の目に涙が盛り上がっていき、松坂は暖かい笑顔で市井を見守る。
とてもいいシーンだ。
しかし松坂が「マホチャン」と、ちゃんまでカタカナで書いてしまったことが、おばさんくさくてついつい失笑してしまうのだ。
正直私はこの映画で何度も泣いた。
しかし泣くかたわらで必ずなにかツッコミどころがあり、ゆっくり泣いているヒマもなかった。
なっちは松坂からお父さん（どこだか忘れたが外国にいる）が一緒に暮らしたがっているといわれ悩むのだが、駅伝でゴールをしたとき観客席の松坂に手話で、夏休みにお父さんのところに遊びに行くけど、一緒に暮らすのはお母さんだと告げる。
それでなっちの問題は解決するのだが、納得いかないのが市井の問題である。
市井が走る前に斎藤洋介が来て「もう暴力は振るわないから一緒に暮らしてくれ。もう一度チャンスをくれ」というと、市井はあっさりと「一度だけだよ。お父さん」と言って承諾するのだ。
ダメだったら市井。
DVってそんなに簡単に治ることじゃないと思うぞ。
ホントにDVで悩んでる人が観たら起こると思う。
そんな簡単にやめられるんだったらそもそも最初っから自分のかわいい娘を殴ってないでしょ。
皆さんどう思います？