ガリバーが行く

2002年11月17日
「アンタは身長があるからいいけどねー」
今日、同僚のタケイさんから言われたセリフである。
私のことを知っている人は、このセリフに少なからず驚くのではないだろうか。
なぜなら、私の身長は152cmしかないからである。
幼稚園から小学校低学年にかけて、私はだいたいクラスで前から4・5番目であった。
しかし、小学2年生の終わり頃からメキメキと身長が伸び始め、5年生のときには後ろから2番目にまでのぼりつめた。
そのときがMAXで、それ以来身長は1ミリも伸びていない。
そしてまたジワジワと私は前の方へ前の方へと追いやられて行く羽目になり、現在に至っているのである。
しかし、私はかなり大人になるまで、自分の背が低いほうだということに気付いていなかった。
あれは20歳のときだったか、女の子5人で集まる機会があった。
私以外の4人はみんな背がちっちゃい子・・・と思っていたのだが、ところがドッコイ、いざ身長の話になってみると、一番ちっちゃいのはこの私だったのである。
私はすごく意外だったのだが、他の4人は口をそろえて「もちろんそうだと思ってた」と言う。
えー!!私ってチビだったの?
それが気付いた最初であった。
それ以来、認識を改め、自分はチビなのだという意識がようやく定着してきた今になって、また私はのっぽになってしまったのである。
といっても33歳になっていきなりまた背が伸び始めたとかいうことではもちろんなく、あくまでも相対評価の話である。
私の同僚は「どこで集めてきたのだろう」と不思議に思うほど皆背が低い。
半分以上が140cm台で、みんな背伸びをしながら棚のオムツを取ったりしている。
その群れにいると、確かに私は頭ひとつ出ているし、高いところの物を取ってほしいとわざわざ呼ばれたりするのもうなずける。
私もあたかもガリバーにでもなったかのような気になって、棚の上の開きを開けてひょいと頼まれたものを取る。
そうすると歓声が上がり、「さすが、背が高い人はらくらく取れるんだね」などと言われる。
しかし、何度も言うようだが、私の身長は152cmであり、絶対評価で言うならば、間違いなくチビの部類なので、いつか相対評価の海から投げ出されることを密かに恐れている私なのであった。

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