イチコの仕事
2002年11月14日ある日仕事から帰るとイチコが「今日、昼にH屋さんから急に電話がかかってきてちょっと手伝いに行ったんよ」と言った。
H屋とはサザンクロスの真下にある、イチコの知り合いがやっている料理屋である。
前の仕事のときのお客さんだったようで、よく「今日はH屋さんに招待されているから」と言って夜出かけては「おいしかったー!」と言って帰ってきて、出てきた料理の説明をした。
イチコの話を聞く限りではどちらかというと上品で、値段もそれなりなカンジの店のようである。
そんな店で本当にいろんな料理をご馳走になっていたので、私はよく「何が目的なんだろう??」と心配したものだ。
イチコが仕事を辞めてからも、たまに電話したりしていたようだが、そんなH屋さんから「お昼だけ店を手伝ってほしい」という電話がかかってきたという。
イチコの手伝いで事足りるのなら、それほど忙しくないのではないかと思ったが、イチコが外に出ることには大賛成の私である。
「よかったねー。ずっと雇ってもらったら?」と言うと、イチコは案の定「イヤよ。今までさんざんご馳走になってきたから断りきれずに行ったけど、ホント、ただより高いものはないね。明日も来てって言われちゃったよ」と言った。
なんか必ず一度は否定しないと気がすまない女なのだ。
私は「ホントに嫌なら断ればいいでしょ。言いにくいなら私が言ってあげる。嫌じゃないんならそんなふうには言わず楽しく働きなさい」と言ったが、そのときはイチコは返事をしなかった。
しかし、それから結局平日は毎日通うようになり、週に3日ぐらいは夜にも行くようになった頃、私に「最近仕事が楽しくなってきた」と小さい声で言った。
正直言って私の収入が激減した今(給料も下がった上にバイトもできないので月収は前の会社の頃の7割前後である)、イチコが外でお金を稼いできてくれるというのは我が家の経済にとってたいへん助かることである。
失業保険が切れたら何か働きたいと思っていたようだが、年齢的にできる仕事は限られているし、1人では電車にもバスにも乗れないイチコは、自転車で通える範囲のところでないと無理である。
そんな都合のいいところなんてないよと思っていたのだが、やはりイチコは強運の持ち主のようだ。
「行ってきます」と家を出て、帰ってくるとその日来たお客さんの話をとうとうと話すイチコを見ると、この新しい仕事はイチコにとって収入以外にも、いろいろなものを与えてくれているようだとうれしくなった。
H屋とはサザンクロスの真下にある、イチコの知り合いがやっている料理屋である。
前の仕事のときのお客さんだったようで、よく「今日はH屋さんに招待されているから」と言って夜出かけては「おいしかったー!」と言って帰ってきて、出てきた料理の説明をした。
イチコの話を聞く限りではどちらかというと上品で、値段もそれなりなカンジの店のようである。
そんな店で本当にいろんな料理をご馳走になっていたので、私はよく「何が目的なんだろう??」と心配したものだ。
イチコが仕事を辞めてからも、たまに電話したりしていたようだが、そんなH屋さんから「お昼だけ店を手伝ってほしい」という電話がかかってきたという。
イチコの手伝いで事足りるのなら、それほど忙しくないのではないかと思ったが、イチコが外に出ることには大賛成の私である。
「よかったねー。ずっと雇ってもらったら?」と言うと、イチコは案の定「イヤよ。今までさんざんご馳走になってきたから断りきれずに行ったけど、ホント、ただより高いものはないね。明日も来てって言われちゃったよ」と言った。
なんか必ず一度は否定しないと気がすまない女なのだ。
私は「ホントに嫌なら断ればいいでしょ。言いにくいなら私が言ってあげる。嫌じゃないんならそんなふうには言わず楽しく働きなさい」と言ったが、そのときはイチコは返事をしなかった。
しかし、それから結局平日は毎日通うようになり、週に3日ぐらいは夜にも行くようになった頃、私に「最近仕事が楽しくなってきた」と小さい声で言った。
正直言って私の収入が激減した今(給料も下がった上にバイトもできないので月収は前の会社の頃の7割前後である)、イチコが外でお金を稼いできてくれるというのは我が家の経済にとってたいへん助かることである。
失業保険が切れたら何か働きたいと思っていたようだが、年齢的にできる仕事は限られているし、1人では電車にもバスにも乗れないイチコは、自転車で通える範囲のところでないと無理である。
そんな都合のいいところなんてないよと思っていたのだが、やはりイチコは強運の持ち主のようだ。
「行ってきます」と家を出て、帰ってくるとその日来たお客さんの話をとうとうと話すイチコを見ると、この新しい仕事はイチコにとって収入以外にも、いろいろなものを与えてくれているようだとうれしくなった。
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