アマゾンマーケットは昔懐かしい屋台村形式の店で、私たちは昼飯をガッツリ食いすぎたことをたいへん悔やんだ。
おなかいっぱいのクセに「おなかすいてきたらこれとこれを頼もうね」とメニューに釘付けの私たち。
細々とやっているリハや、私たちお得意のマンウォッチングを楽しんでいると、インゲンが私と藤沢くんが話をするように促してくれた。
藤沢くんは家も近所だし、昔はけっこう話をしていたのだが、大人になってからは逢っても他人のフリをしていた。
って言うか、逢うときはたいてい私が店員、藤沢くんが客というシチュエーションなので、こっちからはなかなか声がかけにくい状況で、そして何度か店員として接してしまうと、もう今さら声などかけられなくなってしまうのだ。
藤沢くんは「なんか(音楽)好きらしいね」と声をかけてきて、インゲンに言うとも私に言うとも取れるようなカンジで「セブンイレブンで逢ったとき、コイツじゃないんかと思いよったんやけどねー」と言った。
いきなりコイツ呼ばわりかいと思ったが、よく考えて見るとコイツなんて言われたのはずいぶん久しぶりで、不思議と悪い気はしなかった。
「今度から逢った時はちゃんと声を掛け合おうね」と約束をした。
そうこうしているうちにライヴがスタート。
みんな思い思いに酒など飲みつつ、ライヴ自体よりも会場の雰囲気を楽しんでいるようであった。
かわるがわるミュージシャンがステージに上がっていき、座って見るもよし、前に出て踊るもよしというカンジで、私も後半戦に突入したあたりからは前で踊っていた。
岩崎くんの彼女は、途中までは普通なカンジで観つつ、岩崎くんの暴走を静止したりしていたのだが、ワインを飲みすぎたらしく、そのうち一緒になって暴走していた。
パーッと踊ってダウンして復活してまた飲んで踊ってを繰り返していたが、ダウン→復活のインターバルがとても短く、そういうところもとても好きだった。
夜も更け、ついに御大テッドじいさん登場。
たしか御歳70歳で、けっこうなヨロヨロぶりで、女の人にいざなわれながらの登場であった。
そのヨロヨロぶりに反し、歌声は別人のようにパワフルでパフォーマンスも派手であった。
何度か椅子の上に上がって歌い、そうたいして高い椅子ではなかったのだが、その上り下りのときには仕事柄思わず介助したくなるほどのヨロヨロぶりだった。
そんなテッドじいさんを囲み、みんな、時には彼に手を引かれ真ん中で踊り、そしてまた輪に戻り、マサオくんも時にはハープを手にステージに上がり、しばらく吹いては佐々木さんと変わったり、みんなそれぞれ思い思いにTED WILLIAMSと同じ空間を過ごしていた。
自分の大好きなミュージシャンのライヴに行くのはもちろん楽しいが、こういう、音楽や空間や時間を楽しむのもなかなかオツなものである。
いつも同じ感想だけど、今日も言っときましょうか。
「あー、楽しかった!」

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