ナツヒロコンビと別れ、これから私とちづちゃんは高田馬場でサンバパレード。
ナツヒロコンビはこれから渋谷の想夫恋に行くと言っていた。
高田馬場駅に降り立った瞬間から、もうドンドコドンドコとサンバのリズムに包まれていた。
パレードには20数団体参加していて、ひと団体の人数もかなりのもんである。
世にこれほどのサンバ愛好家がいるということに私は驚愕していたが、沿道を埋め尽くす見物客にも驚いた。
明らかに「見る気」で来ていると思われる人がシャッターを切ったりしている。
ちづちゃんもその一人であるが。
ちづちゃんの友達のいる団体は、衣装も凝っていて美しく、人数も多く派手であった。
その団体が通過すると、私たちは居酒屋に入りトオル会議、結婚会議を繰り広げた。
「トオルはこの先どうしたいんだろう」
「私たちはこれから何を求めていけばいいのだろう」
「なぜ世間の人は結婚していないと一人前に見てくれないのか」
「私たちはまだ、より良い自分になろうと暗中模索している途中なのだ」
そんなことを、酒を飲みながら何時間も話した。
かなり居酒屋で粘ったが、そろそろ六本木に向かおう。
なにしろトオルが出演するのは深夜1時半頃からなのだ。
私の今日1日はあまりにも長い。
昼間にYASSYから六本木のネットカフェの場所を教えてもらっていたので、そこで1時まで時間をつぶすことにした。
それにしても週末の六本木、6:4で外人のほうが多い。
それも一目で外人だとわかる人だけでその割合なのだから「実は外人」な人も含めると私たちはもっと少数派になってしまうだろう。
オープンカフェの軒先などは、ホントに外人ばかりで、あたかも私たちのほうが外国人観光客になったような気がした。
ネットカフェでちづちゃんは漫画を読みつつ爆睡、
私はちょっとだけ日記の更新をして1時になったのでソノラへ。
中に入るとアヤコさんがおり、メールを交わしてはいるがお互い顔を知らないちづちゃんとアヤコさんを紹介しあった。
概ね時間通りにトオルがステージに上がってセッティングをし始めたので、なにげに前のほうに出てかぶりつきに行った。
トオルがチューニングをする姿を間近で見て、正直やっぱ年取ったなーと思う。
若い頃のトオルの姿を知っている私たちファンは、そうは言ってもかなりフィルター越しにトオルを見ていると思う。
もう、トオルを客観視できなくなっているのだ。
今のトオルは客観的に見てどうなのだろうか?と思いながら、ジャムセッションを観ていると若い男女の団体が来て前のほうに押しかけてきた。
私の真横に来た推定はたちそこそこの男の子が、トオルに釘付けになっていた私にも気配が察せられるほどトオルに釘付けになっており、その視線は明らかに好意的なものを含んでいる視線であった。
たぶんその子の連れと思われる女の子達もトオルの機材に触れて「触っちゃった」などと言って喜んでいたので、こんな、チェッカーズがデビューした頃に生まれたような若い子にもまだ受け入れられているんだな―とちょっと安心し、そしてそんなことを考えている自分がちょっとイヤだと思った。
でも今日はジャムセッションとは言え、トオルのスチャスチャギターを聴けたので満足である。
できればそろそろメロディアスなギターを聴かせてほしいが。
ジャムセッションが終わると私たちはすぐさまソノラを後にし、先ほどのネットカフェに戻った。
始発で空港へ向かい私の長い長い1日は終わった。

コメント