大阪から帰ってきて、すぐ病院に行けばよかったのだが、家に帰りさえすればとりあえず大丈夫だという気持ちが私にはあった。
しかし、家に帰っても私に体調は一向によくならなかった。
そして夕方、病院が閉まる絶妙のタイミングで私の体温はついに40℃を突破した。
ああっ、もうダメ。
私はビキにこの時間からでも診てもらえる病院についてメールで問い合わせた。
ビキは救急病院を調べてくれた上に、病院まで連れて行ってあげると言ってくれた。
ビキは家についたらメールするからそれまで寝て待っていてと言ってくれたが、私はもういても立ってもいられない。
すぐに着替えて外に出てビキが来るのを待っていた。
イチコも、私のことが心配+ビキに挨拶をせねばという気持ちから、外に出て来て私に寄り添った。
それが私にはなんだかどうしても嫌だった。
「いいから家に入って」
「だって心配じゃない」
しばらくやりあったが、イチコが帰らないので私は半泣きで「家に入って!!」と叫んでフラフラとイチコから逃げた。
イチコはついにあきらめて家の中に帰っていったが、その後ろ姿を見て悲しかった。
なんで自分のことを心配してくれている人に、33にもなってあんな態度しか取れないのであろうか。
でもこのときは仕方なかったのである。
西村知美の24時間マラソンのゴールさながらに救急外来にかけこみ、診察を受けると、軽く入院を打診された。
私は慌てて「私は普段Y先生のところにかかっているから、勝手なことをしたらY先生に怒られます。明日になったらY先生に診てもらいますから」と訴えた。
Y先生はちょっと気むずかし屋さんで有名なので、その医師も慌てて「あ、じゃあ、Y先生に診てもらったほうがいい。そうしてください。明日必ずY先生のところに行ってくださいね。レントゲンはそのときに撮ってもらってください」と言った。
そのときに医師から、Y先生に救急病院でこういう風に言われたと説明してくださいということを言われたが、ビキに聞いてみるとそれをY先生に告げるときっとY先生は怒り出すだろうと言う。
明日Y先生にどういう風に伝えるべきかのレクチャーをビキに受け、点滴2本、注射2本、薬5種類というありとあらゆる措置を受け、やや元気になって病院を後にしたのであった。
ありがとね。ビキ。

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