ボートに乗った後は白鳥や鯉やサルにえさをやった。
昔は餌用に麩とかパンの耳とかが売っていたのだが、最近は餌はポップコーンで統一されていた。
しかも昨日の家飲みのとき、私とオバッチが「ポップコーンの中でこれがいちばんおいしいよね―」と絶賛し大喜びで食べていたフリトレーバター醤油味であった。
にもかかわらず、サルはあんまり食べてくれなかったのでガッカリした。
私たちの味覚ってサル以下?
その後レストハウスのロビーで涼んだり、元気人間コンテストのステージの前で暑さにうだったりして時間が過ぎるのを待った。
さっきの湖の爽やかさがウソのように暑くて苦しい時間だった。
ベンチに座って、隣りのベンチに座っている一家の、2歳ぐらいの女の子をジジババを始めとして一家全員で溺愛している様子を微笑ましく見守っていると、ピンクブルータスのメンバーがやって来た。
おお、来た来た。
それを汐にハリケンジャーのショーを見に行き(人が多くて全然見えなかったが)、司会のお姉さんの言うがままに「ハーリケンジャー!!」と声を張り上げて呼んだり、コンテストを見に来ていたオバッチのお父さんやお姉さんを見つけ、挨拶をしたりしているうちに、いよいよいい時間になってきた。
今日はうちのイチコと美幸ちゃんも見に来ると言っていたが、どこにいるのだろうか?
そう思っていると美幸ちゃんからメールが来た。
どこにいるかはわからないが、このステージ前のどこかにいるらしい。
いよいよコンテストが始まった。
客席にうちわが配られ、一つ一つの出し物ごとに「元気をいっぱいもらった」と思えば、うちわの赤いほうの面を、「元気をちょっとだけもらった」と思えば白いほうの面を見せ、パッと見で赤が多ければ50点、白が多ければ30点、それに1人10点の持ち点の特別審査員5人で、計100点満点で競われる。
グランプリの賞金は10万円。
ピンクブルータスの他にバトントワリングのお姉さんとか、漫才の中学生とか、犬の着ぐるみで踊る親子とか、南京玉簾とか、バラエティに富んだ出し物が並んだ。
結果から言うとピンクブルータスは賞を取れなかった。
でも、それは大した問題ではない。
コンテストの質からしても、バンドというのは不利だし、審査も何だか曖昧だった。
でも私はすごいいっぱい元気をもらったし、サルくんが仕事の都合で来られないことをカバーする、すごくよく練られていたステージだったと思う。
「なまいきピエロット」1曲だけだったけど、私は素敵な呪文の威力ですごく楽しい気分になっていた。
コンテストが終わってすぐ美幸ちゃんと共に私の元にやってきたイチコは、逢うなり私の腕をつかみ「あの真ん中で歌ってる男の子がカッコよかったー」と息を弾ませた。
うんうん。確かにそうなんだけどさー、リエちゃんに挨拶もなくいきなりそれはやめてくれる?
ミーハ―が遺伝ってばれるから。
案の定、リエちゃんに「そっくりですね」って言われちゃったじゃんかよぅ。

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