さて、今日はめぐとともに東京である。
自分自身もちょっと呆れているので許してほしい。
宇部空港にJALが参入し、記念特割で東京まで片道5000円なのだ。
何の予定もなく、ただ東京を楽しもうと適当に日にちを決めて取ったのだが、期せずしてMITCHのライヴと重なったのだ。
ネギーシーさんは仕事で来れないということだが、敦子さん、ナツコちゃん、ヒロコちゃんにはじめてめぐを紹介するということにもたいへん意味があった。
台風がきているということで、昨日から飛行機が飛ぶかどうか危惧していたのだが、何の問題もなく飛行機は飛び立った。
しかし、間違いなく台風は東京に向かっていたのである。
着いたときはまだ天気は小康状態で、私たちはライヴ前に浅草観光やショッピングを楽しんだ。
しかし、下見に行ったHUBの店頭には、台風により今日の出演者のうち3人の到着が遅れる旨の貼り紙がしてあった。
私たちはその貼り紙を見て爆笑し、ホテルにチェックインして一休みした。
しかし、再びHUBに向かおうとしたそのとき、突如尋常ではないほどの風雨に襲われたのである。
マジで台風がきた。
私たちは濡れねずみになってHUBに入店した。
コーくんが奥から出てきたので早速なつく。
ホットコーヒーを注文し私たちのテーブルにやってきたコーくんによると、遅れてくる出演者の中には本日の主役のMITCHも含まれているらしい。
ゲスト出演の軽い気持ちでいたコーくんは、1stを丸々頼むと下駄を預けられ、「どないしようかなー」と私たちに無表情な横顔を見せつつ、コーヒーを傾けていた。
「さっきまだ掛川や言うとったからなー」
新幹線が止まったのでレンタカーを借りてこようとしたが、レンタカーもいっぱいで借りれなかったらしいのだ。
そんな状態でホントに今日間に合うのだろうか。

次にコーくんと顔を合わせたときに「今どの辺だって?TELしてみた?」と聞いてみると、コーくんは「いや、もう電話はせーへんことにしてん」と言った。
「電話したって早よ来れるわけちゃうし、あいつが一番早よ来たい思ってるやろし、そんなときに『今どこや、今どこや』って電話したってイライラさせるだけやからなあ」
さすがジェントルコーである。
私だったらきっと100回ぐらい電話してイライラさせ倒している。
1stどうしよう・・・といっぱいいっぱいになって、そんな人を気遣う余裕はないだろう。
このコーくんの言葉は、私の心の中にかなり残る教えとなった。
本気で、けっこう感動したのである。

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