今日は今回の東京ライフの中で唯一ライヴの予定のない日。
持ってきた材料でユキちゃんに瓦そばを振舞う。
いい感じにパリッと焼けたし、ユキちゃんもけっこう喜んでくれたようでうれしかった。
ユキちゃんは家で仕事をするというので、私はちょっと渋谷にでもお出かけすることにした。
実は昨日またANTONさんに恐喝されたのである。
「SAKUちゃあん、去年SAKUちゃんからもらった時計な、ベルト切れたって言ったやん。あれ、修復不能やねん」
お、来たね。バースデーおねだりが。
去年のサザンクロスの日にも私はANTONさんから時計を恐喝されたのだ。
「あ、じゃあ、また誕生日にね。どんなのがいいの?」
「いや、別にねだってるとか、そんなんちゃうねん」と言いつつ、かなり具体的な希望をぶつけてくるANTONさんであった。
昨夜そんなことがあったので、ちょっとANTONさんの希望するような時計はどんなのか下見をしようと思ったのだ。
ユキちゃんちからメールを打ちながら歩いて駅に向かう。
ユキちゃんちの最寄駅は実はMONKYと一緒なのだ。
多分ユキちゃんちと、駅をはさんでちょうど反対側くらいにMONKYんちがあると思われる。
アントンハイセルのみんなにメールを打っていると、駅の少し手前のあたりで目の端にチラッとグリーンのTシャツが飛び込んできた。
最近MONKYはよくグリーンのTシャツを着ているので「わぁ、MONKYみたーい☆」とつい反応してそっちを見ると、その人はまさにMONKYこと、家永慎也その人であった。
「うっわ!MONKY!」
私は心の中で叫んだ。
しかし、声をかけるべきか・・・。なぜなら、私はこの日、口紅すら塗っていないまったくのすっぴんだったのである。
MONKYは自分の自転車のカギをはずそうとしているところだった。
どうしよう・・・、口紅だけでもささっと塗ろうか・・・。
考えているうちにMONKYが行ってしまうといけないので、意を決してすっぴんをさらすことにした。
「MONKY♪」
MONKYは突然声をかけられ、軽く驚いた様子で私を見て「ああ、SAKUちゃん・・・。え!?」という感じであった。
どうやら二度びっくりという様子だったようだ。
昨日ここに自転車を置いて渋谷に行き、帰りはバンドリムジンで帰ったので自転車を取りにきたのだと言っていた。
私はいつも泊めてもらう友達がこの近辺に住んでいることを告げた。
「俺んち反対のほうやからさー、久しぶりに駅まで歩いてきたけど、けっこうしんどいわー」
そういってMONKYは自転車にすっと乗って自宅方向に去って行った。
その後ろ姿を、見えなくなるまで見送りながら私は思った。
今まで、何度ユキちゃんちに泊めてもらったか分からないのに、MONKYにばったりこの町であったことはなかった。
それなのに、今、この空前のMONKYブームのさなかに、こうして偶然逢ってしまうあたり、さすが私である。
ブラボーSAKU!
自分で自分を大絶賛してしまったのだがどうか。

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