そうだ。あそこに行こう!
あそこというのは、前に恵美子ママに連れて行ってもらった青少年科学館である。
小学生レベルの館だが、私の科学の知識にはジャストフィットなのだ。
科学好きのユキちゃんの賛同を得て、水天宮より先に科学館に行くことにした。
バスをひとつ乗り過ごしてしまい、「まあ、でも一区間だし」と思っていたら、その一区間が長い長い。
3区間分ぐらいはあった。
あっさり西鉄から歩いてきたほうがよかったくらいであった。
真夏のように暑い中、ユキちゃんがマグロを見に行った話を聞きながら歩くのもなんだか楽しかった。
ユキちゃんのお目当てだったプラネタリウムもあと一回分上映が残っていた。
やー、よかった。
プラネタリウムの時間まで中途半端に空いていたので展示をブラッと見る。
私が見過ごしていたオブジェのようなものも実は展示だったらしく、ユキちゃんに「これは固定してあるのは重くて動かないっていう意味なんだろうね」と言われ「なるほどね―」と感心した。
「なるほどね―」の続きは、口には出さなかったが「これって展示だったのか」である。
プラネタリウムには並んで1番に入る。
土曜日は市内の小中学生は無料だというのにガラッすきである。
電気が消え星がつくとそれなりにムードが出る。
「おとめ座の独り言」というタイトルのついたそれは、今の時期に見える星座をおとめ座がイヤらしく説明してくれるというものであった。
正直言って普通に説明してくれたほうがよかった。
無理におとめ座が夜空を抜け出してまで教えてくれんでも・・・。
しかし、次の女の子が電車で知らん町に行って占いしてもらうという次の出し物に比べたら断然マシであったが。
その後、また展示を見て、ボードを入れかえると一人人数が減ってしまうというだまし絵を心から不思議がったり、自転車こぎをしたり、放射能を見たりして夢中になっていると、係員から閉館時間だと告げられた。
「えっ!もう?」
まだ半分しか見ていなかったのに残念である。
その後、西鉄まで歩き、バスでJRまで行き水天宮へ。
夕闇迫る時間に、筑後川を見下ろしながら、2人でいろんな話をした。
人が書いた絵馬を盗み見て(安産・子宝の神様なので)「あと2ヶ月、元気で出てきてね。お父さんもお母さんも楽しみにしています」という言葉に泣いたりしているうちに日も暮れて、私たちはホテルへと向かった。
明日は大好きな恵美子ママに逢える。
そう思うとまたじんわりと涙が滲んできたのであった。

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