「立ってるヤツを席に戻らせろよ!」
叫んでいるおっさんの言いたいことはよくわかる。
なんのために並んでたのかということだろう。
でも、私たちを席に戻すよりも、あなたも前に出てきたらどうだろうか?
そんな遠いところで座って聴いているよりも、前に出て踊ったほうが絶対に楽しいよ。
あなたの好きな上田正樹さんも近くで見れるし。
コーくんも客席からの怒声に一瞬たじろぐ気配を見せたが、結局そのままの体勢で上田さん登場。
私にとっては「上田正樹=悲しい色やね」、それ以外の知識は全くなかった。
ものすごく勇気がいるが、正直に言おう。
6月のブルーノート、上田正樹withBBBBだと聞いたとき、めぐと「えーなんで―?ブラックボトムだけのほうがいいのに」とまで言ってしまってたのだ。上田さんが姿を見せたときも、「おっ、結構カッコイイやん」ぐらいにしか思っていなかった。
しかし、しかしである。
歌い始めた上田さんは泣きたいほどのブルースマンであった。
泣きたいどころか、実際私は泣いていた。
ライヴではよく泣く私だが、今日の泣きは、11月のブルーノートの便箋歌に匹敵するほどのボロボロさであった。
カッコイイ。
私はもはや上田さんのみにくぎ付けであった。
メンバー紹介がまた素晴らしくよく、上田さんから紹介されるメンバーは、いつもよりも5割増ぐらいにカッコよく見えた。
あー!もう!6月のブルーノートが楽しみで楽しみでたまらない!
私はライヴが終わるや否や泣きながらめぐにTELをした。
「大変なことが起きた!上田正樹カッコイイ!ブルーノート楽しみ!」
泣きながら叫ぶ私にめぐは相当ひいていた。
「うそ―!?上田正樹やったら走る?」
これはG戦を見に行ったときの日記で、めぐの走る物件と走らない物件を判別できると行ったことによる質問である。
私は厳かに言った。
「走る!間違いない」
気をつけなくてはいけないことは、走りすぎて上田さんを追い抜いてしまうことのみであろう。
早くブルーノートに行きた―い。

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