大きな月の夜

2002年1月23日
今日はめぐの誕生日である。
おめでとう。
そしてもうひとつ、高橋良明の命日でもある。
私が新入社員だった年の1月23日に良明は亡くなった。
私はけっこうファンだったのでショックだった。
その日、仕事が終わって家に帰るとき、夜空にでっかい月が出ていた。
まん丸で、あまりにも大きくて、まるで違うもののように見えたことを覚えている。

1月9日に解雇予告通知をもらったが、そのときに「1週間程度で再雇用の条件を提示する」と言われたが、もう2週間たっている。
いったいどうなっているのだろうか?
私たち社員が、今後のことを新聞報道で知ったり、それが間違っていたりあっていたりするものだから私たちは更に混乱していた。
そんな中マシムラさんと店長が急に本部から呼び出された。
マシムラさんは組合の支部長なのである。
マシムラさんが本部に呼び出されるときはたいていいい話ではない。
そろそろ会社側からなにか言ってくる頃ではないかと思っていただけに心配だった。
夜、閉店間近になってイソカワさん(仮名)が売場を見まわりに来て「今日は時間通りに終わりそうか?終わりそうになかったら誰かに手伝わせるぞ。今日は絶対に時間どおりに帰ろうな」と言った。
「いやいや、今日はすぐ帰れますよ。8時15分ちょうどに帰りましょうね」
そして閉店し、8時15分。
終礼で、「店長とマシムラさんが今日会議に行っていて、その報告があるので、男子社員だけ残るように店長からさっき電話がありました」と、さっき「時間通りに帰ろうな」と言っていたイソカワさんが言った。
私は帰れるけど、なんかがっかりした。
そしてなんで女は帰っていいのだろうか?
女子社員には関係ない話なのか?
それとも遅くなるから女子は帰らせるという甘やかしだろうか?
いつの間にこんなわけわからん会社になったのだろうか。

みそっかすにされた私はもちろん帰宅した。
結果はユイノさんがTELしてくれるそうだ。
帰りの車の窓から見える夜空には、今日もまたでっかいまん丸い月が怖いくらい青く光っていた。

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