強運おばさん

2002年1月16日
今セブンイレブンで9000店突破記念のフェアをしている。
お買い上げ700円ごとに1枚、スクラッチカードを差し上げているのだが、スクラッチが縦に3段、横に4列あって、縦3つの中から1つずつ、計4ヶ所削って9・0・0・0という数字が出ればそのカードがそのまま500円分のお買い物券となるのである。
それとは別にもうひとつスクラッチがついていて、こちらは単純明快、削って当たりが出たら対象のドリンクをプレゼントなのである。
だいたい今の説明でわかっていただけたであろうか?
賢明なる読者の皆さんにはわかっていただけていると思うのだが、いくら説明しても客どもには通じないのだ。
いきなり全部をガッといっぺんに削ったり、一列目で「残念」が出ているからどうあがいたってもうダメなのに悩みながら4列とも削ったりするのだ。
そして、3の4乗だから確率81分の1なのに、なかなか皆さん当てては下さらない。
ドリンクは何枚かに1枚コンスタントに当たりが入っていて抗いようがないが、9000のほうはみんなのがんばり次第で全部当たりにすることも可能なのだ。
がんばれみんな。
しかし私の意に反して、私の目の前で9000を出してくれる人は一人もいなかった。
そこへ、以前は毎日来ていたが今はたまにしか来ないおばさん(といったら本人はむっとするであろう微妙な人)が現れた。
ガタイがよく、よく見るとそこまで太ってはいないのだが、すっごく太っている印象を与える丸めがねのおばさん。
ベティちゃんやらスヌーピーやらのキャラクターがでっかくプリントされたトレーナーを愛用し、下はいつもジャージのズボン。
「通勤途中だ」と言っているが、その格好で通勤ってアンタの仕事はいったいなに?と言いたくなるような、でもなんとなくただものでないカンジがする彼女は「よし!当てるよ!」と宣言してひとつ削った。
「9」。
そしてまたひとつ、「0」。
もうひとつ「0」。
きゃー!!
私のほうが興奮した。
おばさんは「ね、当てるって言ったじゃん」と言って、さしたる意気込みも見せずに最後のひとつを削った。
「0―――――!!!」
あろうことかおばさんは、ドリンクのほうまで「当たり」であった。
すげえ。
運と実力を兼ね備えた件のおばさん。
やはりただものではなかったのである。

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