ケンケン通勤

2001年10月31日
私は車を運転するときたいてい靴を脱ぐ。
なぜならたいてい厚底靴を履いているからだ。
が、普通に、靴を脱いで車に乗り込み後から靴を取り込む方式だと5回に1回くらいの割で、靴を置き去りにしてしまうのだ。
めぐの家の前に自殺者のように靴を揃えたまま忘れてしまい捕獲してもらったことも2度ほどある。
なので私はもっぱら、車のドアの前で片足ずつ靴を「えいっ」と車内に蹴り込む方式を採用している。
今日もそうした・・・つもりだったのだが、右足の方が勢い余って跳ねかえっていたらしい。
会社に着くと左の靴しかなかった。
イチコがたまたま休みだったのでTELして確認すると、確かに駐車場に転がっていると言う。
直ちに拾ってくれるよう依頼したものの、私は途方に暮れた。
どうやって会社の更衣室まで行けばよいのだろうか?
更衣室に行けば店内用のパンプスがある。
しかし、社員が車を止める土手から会社までは近くに見えてわりかし遠い。
土手のどの辺に止められるかによっても大きく違うのだが、我が家からイチコの会社までぐらいには離れている。
そしてイチコは自転車通勤だ。
そのぐらいの距離はある。
手段その1、ケンケンで行く。
手段その2、裸足で行く。
手段その3、会社の従業員口に車を横付けし(そこは本来従業員の駐車は禁止)更衣室に行き、靴を履いた後で車を戻す。
などがすぐに頭に浮かぶ手段である。
手段その3など、かなりのグッドアイデアだと思うのだが、難点は、今が遅刻ギリギリの時間だということである。
私は手段その1とその2を臨機応変に使い分けながら更衣室へと向かった。
15センチの厚底靴を履いての高速ケンケンは思いの他難しい。
そして左は厚底、右は裸足で、ピョッコピョッコと跳ねるように走るのもとてもキツイ。
しかしなによりつらいのはみんなにイチイチ「きゃあ!SAKUちゃんどうしたの―??」などと聞かれることなのだ。
誰からも聞かれなくてもつらいが、だいたいわかるだろうが。
説明するより先に更衣室にたどり着きたいのだ。
察してくれよと思いつつも「それがさぁー」などと説明しながらケンケンしている私であった。

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