ちょっとがっかり

2001年10月28日
バイトの相棒モモちゃんが、おでんのだしを調節しながら話しかけてきた。
「うちの母方の祖父って日系人なんですよ」
へぇー。私はモモちゃんのお母さんの顔を思い浮かべた。
まだ30代で、腰が低くてかわいらしいお母さんを初めて見たとき、私は「タイプ!」と思ったものだ。
モモちゃんのお父さんが「結婚前は今井美樹に似てかわいかったのに」とよく嘆くと聞いているが、いやいやなるほど、そんなカンジである。
モモちゃんの話は続く。
「多分そういう関係でだと思うんですけど、お母さんのうちでは、夜寝る前に必ず温かい飲み物を飲む習慣があって、自分ちもそれを受け継いでるんっすよね」
なんだかとても素敵な話が聞けそうで、私はちょっとときめいた。
季節に関係なく温かい飲み物を飲んで寝る。
「大草原の小さな家」とか「世界名作劇場」とか、そんな趣があるではないか。
「私も朝はコーヒーなんですけど、夜はホットココアを飲むんです」
ちょっと真似したくなるほどカッコイイ話だが、話は思わぬほうに行った。
「でぇー、私も―、やっぱこの年になるといろいろあるじゃないですかー。それで―、彼氏んちに泊まりに行ったとき―、紙パックのココアをチンしてベッドサイドに持っていったんっすよ―」
・・・・・・・。なんか違う・・・。
「したらぁー、なんかー、ベッド周りがココア臭くなるとか言って怒鳴られちゃって―、大喧嘩っすよ。で、結局それが元で別れちゃって―、もう修羅場っすよ。修羅場」
私の聞きたかったのはそんな話ではない。
なんか、もっと、ちょっと素敵な家族のいい話みたいなのが聞きたかったのだ。
私なら、その話の導入部を拝借して、絵本みたいな素敵な話を作り上げることができるのに。
(まあ、モモちゃんのは実話だろうが、それだけになんかイヤ)
なんか朝っぱらからちょっとガッカリだったなあ。

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