私のバイトの相棒、モモちゃんは18歳になったばかり。
出会ったときは16歳だったが、16歳らしからぬ「肝っ玉母さん」的な風貌に、セブンイレブンの奥さん(セブンイレブンではオーナー夫人のことをこう呼ぶ。業界の慣習とはいえなんか笑える)は「新しく入った○○さん、16歳。16歳よー。」と失礼なくらいうけていた。
そして私に「でもねー、やっぱり話して見たら子供よ」と言った。
「でも」って、私、別になんにも言ってないじゃん。
奥さんが大喜びするほど16歳らしからぬ風貌だったモモちゃんは、いまだにかなり年齢だけが遅れをとっているカンジである。
確かモモちゃんのお母さんはトオルと同い年なのだが、それだけのジェネレーションギャップにもかかわらず私とモモちゃんはわりかし話が合う。
会社の高校生バイトと比べても、モモちゃんはかなりしっかりしているし、大人の常識も身につけている。
怒りどころもわりと私と似ている。
いっしょに仕事をしていてもしばしば14歳の年の差を忘れそうになるのだが、ときどきモモちゃんはふと驚くほどの子供らしさを見せるときがある。
それはヤンキー信奉という形となって現れることが多い。
「北海道(モモちゃんは北海道から引っ越してきた)にいた頃ー、族の総長と付き合ってたことがあって―」
族の総長!
そんな言葉ひさびさにきいたぞ。
「今、拘置所にいる人と文通してるんですよ―。でもその人どうも(刑務所に)入っちゃうらしくって―。入っちゃうと文通ってできなくなっちゃうんですよ―。知ってました―?」
その他にも「今日二日酔いでしんどいっす」というのもよく聞かれるが、モモちゃんは私以外の人には飲酒、喫煙について隠しているようだ。
いまどきそんなの普通だと思うが、それをいきがって言わず、あえて隠すところが逆に大人だなーと思う。
でもちょっと私にだけは言いたいというところが子供らしくかわいらしい。
他にもいろいろあるのだが、そんなモモちゃんの子供らしさは、私がもう少し若ければ「バカ」の一言で片付けられていたと思う。
だが32歳の今の私にはなんともかわいらしく思えるのだ。
いやー、私もう心根が本当におばさんなんだなとつくづく感じるエピソードであった。

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