水に流す

2001年9月21日
今日は父の2回目の命日である。
が、全然関係ない話をしようと思う。
昨日、会社の2つ後輩の伊子(仮名)が結婚退職した。
伊子と冨子(仮名)と谷子(仮名)の同期3人組はとても仲がよく、私は3人をとてもかわいがっていた。冨子は私の同期の河男(仮名)と付き合っていて、私は河男とも親しかったので、冨子と河男がうまくいくことを祈っていたのだが、伊子、冨子、谷子、私の4人で泊りがけで遊びに行ったときに、冨子から「河男にしばらく距離をおこうといわれた」と打ち明けられた。
その夜は4人でさんざん語らって冨子を励ました。
伊子も確かに励ましていた。
でも、そのとき実は伊子は密かに河男と付き合っていたのだ。
そのことが発覚する前、伊子は冨子に「いつまでも河男のことを思っているのはよくないから、私も元彼の写真を焼くから、冨子も一緒に焼こう」と持ちかけたり、「河男河男って、いつまでもしつこいよ」と言ったりしていたのに、である。
冨子から事の顛末を涙ながらに打ち明けられたときは信じられなかったが、それは本当のことだった。
そしてそれっきり、私と伊子は仕事の話以外口を聞かなくなった。
冨子もそれが尾を引き会社を辞め、谷子は結婚退職し、伊子と河男もものすごくあっさりと別れてしまったが、私は納得できなかった。
そのうち冨子は他に好きな人ができ、心に余裕が生まれたようで、「今夜、伊子と谷子と飲みに行く」と言った。
もう元のように仲良くはできないかもしれないけど、街でばったり会ったときに声ぐらいはかけれるような間柄になりたいというのだ。
「もう昔のことは水に流す」と言っていた冨子だが、私はどうしてもそういう気になれなかった。
そして昨日で伊子は河男ではない別の男と結婚するために退職した。
以前あんなに親しくしていたのだから、最後の日ぐらい声をかけようかなと思ったが、結局昨日は一日、会いもせず、言葉を交わさぬまま伊子は辞めていった。
まったく冨子も冨子である。
水に流すなら流すで、私の水もちゃんと流してくれよ。
私の水だけ、いつまでも溜まる一方なのだ。

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