トラウマならぬ「トリブタ」?
2001年9月19日おじさん(父の兄)夫婦が牛舎から戻り、おばあちゃん、私たち母子3人の6人で夕飯の食卓を囲んだ。
おじさん夫婦には4人子供がいるのだが、上3人は就職して独立し、一番末っ子の男の子は、中学生なのに寮に入っているのだ。
なぜなら学校までがとても遠く、通学するには授業が終わってすぐ帰らないといけないので、部活をするには寮に入るしかないのだ。
なのでおじさんとおばさんは今は夫婦2人だけで暮らしている。(おばあちゃんは離れに住んでいる)
おじさんは私が生まれる前に我が家に居候していたこともあったらしい。
新婚の弟のところに居候しているお兄さんと聞くと、とても頼りない男を想像すると思うが、まさにそのとおりで、我が父とは正反対のおとなしい人であった。
私が中学生の頃まで近所に住んでいたが、いつのまにか実家に戻り跡をついでいたのだ。
父が亡くなったとき、ホントに久々に会ったのだが、大人になって会ってみると、頼りないと思っていた部分は優しさや、穏やかさという言葉に言いかえられることがわかり、改めておじさんのことを見なおしていたのだった。
そんなおじさんと、昔話に花を咲かせているときに、ふと、おとといの日記に書いた豚の話になった。
「あのときの豚肉料理みんな美味しかったよねー」
「好きなものばっかりずらっと並んでてうれしかったから、大人になっても忘れられんよね―」
と私と美幸ちゃんが口々に言うと、当時既に大人だった残り4人は意味ありげにニヤニヤ笑っている。
なになに??と思いよく話を聞いてみると、あの豚づくしは父とおじいちゃんによって仕組まれたトラップであったのだ。
当時美幸ちゃんはとても好き嫌いの多い子供であった。
野菜はおおむね嫌いでお肉が大好き、そんな偏食で肥満児の美幸ちゃんを心配して、父とおじいちゃんは「目の前で豚をシメればトラウマになってお肉が食べられなくなるのではないか」と話し合ったそうだ。
そういえば、確かあの時おじいちゃんが猟銃で豚を撃った瞬間を遠巻きに見た覚えがある。
おいしかった鶏の唐揚げになったニワトリも、頭を落として逆さづりにされて血抜きされていた。
父が豚の毛を剃って、残った毛を火であぶっていたっけ。
そんな大人の思惑をよそに私ら姉妹は、その現場を見て、しっかり憶えているにもかかわらず、お肉大好き姉妹である。
美幸ちゃんは大人になるに連れ野菜も好きになって好き嫌いも減ったが、関係ない私にまで見せて、私のトラウマになったらどう責任をとるつもりだったのだろうか。
おそらく私はまだ幼すぎたためにことなきを得たのだろう。
今見たら相当ショックだと思う。
もしくは牛を目の前でシメられていたら、ヤツらの思惑通りになっていたかも知れぬ。
そしたらレバ刺しのうまさも知らず生きていたのだなあ。
もう少しで、人生においてすごい損をするところだった。くわばらくわばら。
おじさん夫婦には4人子供がいるのだが、上3人は就職して独立し、一番末っ子の男の子は、中学生なのに寮に入っているのだ。
なぜなら学校までがとても遠く、通学するには授業が終わってすぐ帰らないといけないので、部活をするには寮に入るしかないのだ。
なのでおじさんとおばさんは今は夫婦2人だけで暮らしている。(おばあちゃんは離れに住んでいる)
おじさんは私が生まれる前に我が家に居候していたこともあったらしい。
新婚の弟のところに居候しているお兄さんと聞くと、とても頼りない男を想像すると思うが、まさにそのとおりで、我が父とは正反対のおとなしい人であった。
私が中学生の頃まで近所に住んでいたが、いつのまにか実家に戻り跡をついでいたのだ。
父が亡くなったとき、ホントに久々に会ったのだが、大人になって会ってみると、頼りないと思っていた部分は優しさや、穏やかさという言葉に言いかえられることがわかり、改めておじさんのことを見なおしていたのだった。
そんなおじさんと、昔話に花を咲かせているときに、ふと、おとといの日記に書いた豚の話になった。
「あのときの豚肉料理みんな美味しかったよねー」
「好きなものばっかりずらっと並んでてうれしかったから、大人になっても忘れられんよね―」
と私と美幸ちゃんが口々に言うと、当時既に大人だった残り4人は意味ありげにニヤニヤ笑っている。
なになに??と思いよく話を聞いてみると、あの豚づくしは父とおじいちゃんによって仕組まれたトラップであったのだ。
当時美幸ちゃんはとても好き嫌いの多い子供であった。
野菜はおおむね嫌いでお肉が大好き、そんな偏食で肥満児の美幸ちゃんを心配して、父とおじいちゃんは「目の前で豚をシメればトラウマになってお肉が食べられなくなるのではないか」と話し合ったそうだ。
そういえば、確かあの時おじいちゃんが猟銃で豚を撃った瞬間を遠巻きに見た覚えがある。
おいしかった鶏の唐揚げになったニワトリも、頭を落として逆さづりにされて血抜きされていた。
父が豚の毛を剃って、残った毛を火であぶっていたっけ。
そんな大人の思惑をよそに私ら姉妹は、その現場を見て、しっかり憶えているにもかかわらず、お肉大好き姉妹である。
美幸ちゃんは大人になるに連れ野菜も好きになって好き嫌いも減ったが、関係ない私にまで見せて、私のトラウマになったらどう責任をとるつもりだったのだろうか。
おそらく私はまだ幼すぎたためにことなきを得たのだろう。
今見たら相当ショックだと思う。
もしくは牛を目の前でシメられていたら、ヤツらの思惑通りになっていたかも知れぬ。
そしたらレバ刺しのうまさも知らず生きていたのだなあ。
もう少しで、人生においてすごい損をするところだった。くわばらくわばら。
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