おニイちゃん

2001年9月1日
チキンジョージでのライヴが終わって私は雨の中梅田に戻った。
明日はベイサイドジェニーでブラックボトムのライヴがあるため、今日は梅田泊なのだ。
駅からほど近いそのホテルにはわりかしよく泊まるのだが、そのホテルの前の交差点にいつも、いわゆる街娼のおばさんが立って道ゆく男の人に声をかけている。
反対側にはポン引きのおじさんがいて、人通りが少ないときはときは2人が話をしているところもよく見かけた。
今日も雨の中、おばさんとおじさんはそれぞれのポジションに立っていた。
それにしても・・・いつも思うのだが、このおばさんを買う人がいるのだろうか。
便宜上おばさんと書いたが、どっちかというとおばあさんに近い。
一応若作りをしているがムチャに見える。
なんとなく、昔はイケていた気配はあるのだが・・・。
私がその街娼おばばの前をすり抜けてホテルに行こうとすると、おばばがすっと私に近づいてきた。
傘のない私にすっと傘をさし掛けるように寄り添ってきておばばはしゃがれ声で囁いた。
「おニイちゃん、イチゴーで遊ばへん?」
は?????????
ワタクシでございますか???
あまりの展開に声も出ずにいると、おばばは「いくら持ってんの?あるだけでええよ」とやさしくいってくれた。
しかし、いくらまけてもらっても私は女なのだ。
どう言ったらいいものかと思案していると、向こう岸からポン引きのおっさんが「それは女やでぇー」と声をかけてくれた。
するとおばばは、まったくなんのリアクションもなく私から離れていった。
なんたる屈辱。
男に間違われるなんて、高校時代角刈りにしていたとき以来である。
それにしても、一万五千円かー。
私は高いと思うんだけど、殿方はいかが思われますか?

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