マイレディのイントロと共にヒロミ登場。
カッコいい。
私は彫りの深い端正な顔立ちというのは好きではないので、ちょっと私のタイプではないぐらいヒロミは男前だった。
歌って踊っているときは、作り物のようにカッコいいヒロミだが、しゃべるとおばさん口調になる。
MCでのヒロミにはオーラはまったくない。
「ねぇ、ちょっときいてぇ」「〜なのよ」etc・・・
そしてすごくいい人なのだ。
ちぢやビキから、ヒロミのMCはおばさん口調で親しみやすくていいよーと聞いていたのだが、ちょっと親しみやすすぎだろう。
もう少しはスター然としていて欲しかった。
ひろみは「ボクは若いからいいけど、みんながついて来れないから構成を考えたよ。盛り上がる曲を何曲かしたらバラードを入れて休憩できるようにしてるから」と言っていたがこっちはヒロミよりひとまわり以上若いのだ。
やっと体が動いてきた頃にバラードで座らされ盛り上がる暇がなかった。
頼むからもっと踊らせてくれというカンジだった。
ヒロミだけではちょっと間が持たないので、合間に尾本さんの観察もする。
尾本さんは、別に自分はヒロミファンではなく、ファンの友達について行くだけといっていたが、そうは言っても年齢的にはバリバリヒロミ世代なので、やっぱり私よりはヒロミに対する思い入れは強いと思う。
尾本さんは立って手拍子をしているが、恐るべき真顔だ。
怒っているのかとさえ思う。
しかしじっと観察するうちに尾本さんのテンションのバロメーターを発見した。
手拍子の位置である。
テンションがあがると叩く位置も上がる。
しかしどんなにMAXに盛り上がって頭の上で手拍子してても顔は真顔。
いつも朗らかな尾本さんのあんな真顔を見たのは初めてかもしれない。
それにしてもこの「ヒロミの客たち」はどうだろうか。
拍手のタイミングが圧倒的におかしいのだ。
バラード曲のとき、普通ならばイントロで「わー、この曲をやってくれるのね」という喜びの拍手、そして曲が終わった後に「ありがとう。よかったよ」の拍手が来るのではないだろうか。
だが、ヒロミの客は、イントロが終わってヒロミが一節歌って拍手、一番が終わって拍手、二番が終わって拍手、〆の一節が終わって拍手、後奏終わって大拍手といったカンジなのだ。
なんでバラードに演歌方式を導入する?
甚だ疑問である。
しかししかし、そんなヒロミの客たちも「ゴールドフィンガー」が始まるとノリノリの大盛り上がり。
まるでその曲だけ客を総入れ替えしたかのように、みんな「ア・チ・チィー・ア・チ」とすっごくちゃんとやっているのだ。
さっきまでの老婆たちはどこ行った?
やればできるではないか!
感動的ですらあった。
ただ、曲が終わった途端、魔法が解けたかのようにみんな元の老婆に戻っていたけど。
なんと言ってもヒロミが去ったあと、まだバックバンドのメンバーがお辞儀をしているのにアンコールと叫び始めるのは絶対によくないと思う。
でも、バックバンドのメンバーも、歌謡曲を決してバカにしていないカンジで、おばさん連中とうまく付き合っていて好感が持てた。
ヒロミ本人がどうこうよりも、観客を含むコンサートそのものの独特なカンジにハマってしまった。
感想としては「また来たい」である。

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