9年前の今日
2001年7月9日9年前の今日、私は東京にいた。
東京の某ホテルで泣いていた。
トオルの結婚式だったのだ。
ファンの子がいっぱい来ていたけど、私が見た限りでは、あんまり悲しそうな人はいなかったように思う。
トオルファンというよりは、トオルの結婚式だからメンバーが全員集まることを期待したチェッカーズファンが多くて、そういう人達のうきうきした姿が私をよけいに悲しい気持ちにさせた。
バリでその話になったのだが、なっちゃんも藤原さんも行っていたらしい。
そのときに出会えていたら悲しみを分かち合えたのにな。
結婚式が終わって、トオルが車で2次会に行くとき、何人かのファンが走って車の後を追った。
もちろん私も追った。
トオルは助手席に、江美子は後ろの座席に乗っていた。
最初の交差点で追いつき、トオルが車の窓を開けた。
ファンの子が口々に「トオル氏おめでとう!」、「結婚おめでとう!」と言った。
でも私は言えなかった。
言いたくなかったのではなくて言えなかったのだ。
そのうち信号が変わり、トオルが手を振って車は発進した。
他のファンの子達は「よかったねー」と言ってそこでホテルのほうに戻っていったが、私はまだ終わっていないのだ。
私はトオルになんにも言っていない。
私だけがまた車を追って走った。
すぐに車は見えなくなったけど、それでもあきらめきれずに走った。
どんどん走っていくと、はるか遠くにまたトオルの車の後ろ姿が見えたのだ。
あそこまで走るうちにまた信号が変わってしまうかもしれない。
そう思い必死で走って、私はとうとうトオルの車に追いついた。
でもどうしたらいいのだろう・・・。
トオルの車の横で息を弾ませているとトオルが窓を開けてくれた。
「トオルさん、結婚おめでとうござ・・・」
言い終わらないうちに信号が変わり、車は走り出した。
でも、私はトオルの口が「ありがとう」と動くのを見た。
確かに見た。
声は聞こえなかったけど、トオルは私に「ありがとう」と言ったのだ。
私は、ピンで留められた標本の昆虫のように、いつまでもその場を動けないでいた。
いっそそのまま、標本になりたかった。
東京の某ホテルで泣いていた。
トオルの結婚式だったのだ。
ファンの子がいっぱい来ていたけど、私が見た限りでは、あんまり悲しそうな人はいなかったように思う。
トオルファンというよりは、トオルの結婚式だからメンバーが全員集まることを期待したチェッカーズファンが多くて、そういう人達のうきうきした姿が私をよけいに悲しい気持ちにさせた。
バリでその話になったのだが、なっちゃんも藤原さんも行っていたらしい。
そのときに出会えていたら悲しみを分かち合えたのにな。
結婚式が終わって、トオルが車で2次会に行くとき、何人かのファンが走って車の後を追った。
もちろん私も追った。
トオルは助手席に、江美子は後ろの座席に乗っていた。
最初の交差点で追いつき、トオルが車の窓を開けた。
ファンの子が口々に「トオル氏おめでとう!」、「結婚おめでとう!」と言った。
でも私は言えなかった。
言いたくなかったのではなくて言えなかったのだ。
そのうち信号が変わり、トオルが手を振って車は発進した。
他のファンの子達は「よかったねー」と言ってそこでホテルのほうに戻っていったが、私はまだ終わっていないのだ。
私はトオルになんにも言っていない。
私だけがまた車を追って走った。
すぐに車は見えなくなったけど、それでもあきらめきれずに走った。
どんどん走っていくと、はるか遠くにまたトオルの車の後ろ姿が見えたのだ。
あそこまで走るうちにまた信号が変わってしまうかもしれない。
そう思い必死で走って、私はとうとうトオルの車に追いついた。
でもどうしたらいいのだろう・・・。
トオルの車の横で息を弾ませているとトオルが窓を開けてくれた。
「トオルさん、結婚おめでとうござ・・・」
言い終わらないうちに信号が変わり、車は走り出した。
でも、私はトオルの口が「ありがとう」と動くのを見た。
確かに見た。
声は聞こえなかったけど、トオルは私に「ありがとう」と言ったのだ。
私は、ピンで留められた標本の昆虫のように、いつまでもその場を動けないでいた。
いっそそのまま、標本になりたかった。
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