SAKUinBALI 6/4 ディセンバー
2001年6月11日今日は車をチャーターしてウブドゥへ。
トオルにゆうべ「明日はプールで遊ぼう」と言われたにもかかわらず、そしてトオルに言われる前から「最終日はホテルのプールでのんびりかな」と思っていたにもかかわらず、大逆転でウブドゥである。
バリに行ったことのある人は皆「ウブドゥはよい」と言っていた。
さくらももこも言っていたし、星ちゃんも言っていた。
他にも誰か言っていたが思い出せない。
とにかくよいらしい。
ウブドゥというのは美術館が立ち並ぶ芸術の町だ。
おとといの夜、ケチャを見に行ったと言えば行ったのだが、ただケチャを見てご飯を食べただけでは行ったとはいえない気がしていた。
昨日の夜、千津奈津コンビが「明日はウブドゥに行くから用がないんなら一緒に行こうよ」と誘ってくれたとき、私は心を決めた。
トオルとプールで過ごすというのもなかなかできることではないが、ウブドゥで見たり聞いたり思ったりしたことを、次にトオルに逢えたときに話すというのも、それに負けないぐらい素敵なことのような気がした。
藤原さんは今日もクタでショッピングだと言っていた。
結局全日程クタである。
他人事ながら、なんかもったいない気がした。
10時に千津ちゃんが頼んでおいてくれた運転手さんがお迎えにやって来てウブドゥへの旅はスタートした。
バリ人の運転手のウトウさん(仮名)は、心がとてもきれいそうな目をした、わりと小柄な男の人だった。
頼んだときは千津ちゃんとなっちゃんが二人で行くようにしていたので、人数が一人増えたぶん割増になるかも、と、英語のできる千津ちゃんが交渉してくれたところ、そのままの料金でいいという。
やはりいい人だ。
料金は15万ルピアなので一人5万ルピア、つまり500円ちょっと出しで約一日チャーターできるわけだ。
私のこの狂いまくった金銭感覚を、明日からいったいどうしたらよいのだろうか。
私が助手席に乗ったので、ウトウさんがいろいろ私に英語で話しかけてきてくれたのだが、私にはあんまり意味がわからない。
ところどころわかるところもあるが、ほとんどは千津ちゃんの通訳のおかげであった。
英語独特のリズムを聞いていたり、わかる単語から2人の会話を推測したりしているだけでけっこう楽しい。
どうやらウトウさんはホントに優しい人のようだ。
口調も穏やかだし、本来は寡黙な人のように思える。
私も英語ができたら、ウトウさんと話せたのになと残念に思った。
千津ちゃんが考えてくれていた「ウブドゥ周遊コース」の第一ポイント、ブランコ邸へ。
ここはブランコさんという画家の自宅だったところを美術館として開放しているようだ。
このブランコさんという人、柔らかいタッチから、荒々しいタッチまでいろいろな手法を使い分けていて、とても一人の人が残した作品とは思えないぐらい層が厚い。
どうやら、マイケルジャクソンに逢ったことが相当うれしかったご様子で、まるで私がブラックボトムのメンバーにあげるアルバムのようなコラージュまで作っていた。
そんなのでよけりゃSAKU邸に山ほどあるぞ。
女性のガイドさんがいろいろと絵の説明をしてくれるのだが、ベランダで千津ちゃんがそのガイドさんと一緒に写真を撮ると言った。
ガイドさんはとてもうれしそうに「この写真は3人の写真だ。なぜなら私は妊娠4ヶ月だから」というようなことを多分言ったんだと思う。
千津ちゃんが「じゃあ、ディセンバーに産まれるの?」と聞くと「そうです。ディセンバーにまた来ますか?」と言って彼女は優しく笑った。
やめて―――ぇ。やめんと泣くぞ。
私が知らなかった町に、知らなかった人がいて、その人なりの人生を送っている。
彼女は自分の子供の誕生を楽しみにしている。
そして私は日本で私なりの人生を送り、日本で私の帰りを楽しみに待ってくれている人もいる。
そんなことを思って、私はすごくせつないような、幸せなような、不思議な気持ちになっていた。
ディセンバー、私はきっと年末商戦で忙しく働いていたり、ブラックボトムはカウントダウンライヴをするんだろうかということに全力を傾けている頃だろう。
でもきっとその頃になっても、彼女の子供は無事に産まれたかなとずっと気にかけていると思う。
これだけでも、今日ウブドゥに来てよかったと思った。
トオルにゆうべ「明日はプールで遊ぼう」と言われたにもかかわらず、そしてトオルに言われる前から「最終日はホテルのプールでのんびりかな」と思っていたにもかかわらず、大逆転でウブドゥである。
バリに行ったことのある人は皆「ウブドゥはよい」と言っていた。
さくらももこも言っていたし、星ちゃんも言っていた。
他にも誰か言っていたが思い出せない。
とにかくよいらしい。
ウブドゥというのは美術館が立ち並ぶ芸術の町だ。
おとといの夜、ケチャを見に行ったと言えば行ったのだが、ただケチャを見てご飯を食べただけでは行ったとはいえない気がしていた。
昨日の夜、千津奈津コンビが「明日はウブドゥに行くから用がないんなら一緒に行こうよ」と誘ってくれたとき、私は心を決めた。
トオルとプールで過ごすというのもなかなかできることではないが、ウブドゥで見たり聞いたり思ったりしたことを、次にトオルに逢えたときに話すというのも、それに負けないぐらい素敵なことのような気がした。
藤原さんは今日もクタでショッピングだと言っていた。
結局全日程クタである。
他人事ながら、なんかもったいない気がした。
10時に千津ちゃんが頼んでおいてくれた運転手さんがお迎えにやって来てウブドゥへの旅はスタートした。
バリ人の運転手のウトウさん(仮名)は、心がとてもきれいそうな目をした、わりと小柄な男の人だった。
頼んだときは千津ちゃんとなっちゃんが二人で行くようにしていたので、人数が一人増えたぶん割増になるかも、と、英語のできる千津ちゃんが交渉してくれたところ、そのままの料金でいいという。
やはりいい人だ。
料金は15万ルピアなので一人5万ルピア、つまり500円ちょっと出しで約一日チャーターできるわけだ。
私のこの狂いまくった金銭感覚を、明日からいったいどうしたらよいのだろうか。
私が助手席に乗ったので、ウトウさんがいろいろ私に英語で話しかけてきてくれたのだが、私にはあんまり意味がわからない。
ところどころわかるところもあるが、ほとんどは千津ちゃんの通訳のおかげであった。
英語独特のリズムを聞いていたり、わかる単語から2人の会話を推測したりしているだけでけっこう楽しい。
どうやらウトウさんはホントに優しい人のようだ。
口調も穏やかだし、本来は寡黙な人のように思える。
私も英語ができたら、ウトウさんと話せたのになと残念に思った。
千津ちゃんが考えてくれていた「ウブドゥ周遊コース」の第一ポイント、ブランコ邸へ。
ここはブランコさんという画家の自宅だったところを美術館として開放しているようだ。
このブランコさんという人、柔らかいタッチから、荒々しいタッチまでいろいろな手法を使い分けていて、とても一人の人が残した作品とは思えないぐらい層が厚い。
どうやら、マイケルジャクソンに逢ったことが相当うれしかったご様子で、まるで私がブラックボトムのメンバーにあげるアルバムのようなコラージュまで作っていた。
そんなのでよけりゃSAKU邸に山ほどあるぞ。
女性のガイドさんがいろいろと絵の説明をしてくれるのだが、ベランダで千津ちゃんがそのガイドさんと一緒に写真を撮ると言った。
ガイドさんはとてもうれしそうに「この写真は3人の写真だ。なぜなら私は妊娠4ヶ月だから」というようなことを多分言ったんだと思う。
千津ちゃんが「じゃあ、ディセンバーに産まれるの?」と聞くと「そうです。ディセンバーにまた来ますか?」と言って彼女は優しく笑った。
やめて―――ぇ。やめんと泣くぞ。
私が知らなかった町に、知らなかった人がいて、その人なりの人生を送っている。
彼女は自分の子供の誕生を楽しみにしている。
そして私は日本で私なりの人生を送り、日本で私の帰りを楽しみに待ってくれている人もいる。
そんなことを思って、私はすごくせつないような、幸せなような、不思議な気持ちになっていた。
ディセンバー、私はきっと年末商戦で忙しく働いていたり、ブラックボトムはカウントダウンライヴをするんだろうかということに全力を傾けている頃だろう。
でもきっとその頃になっても、彼女の子供は無事に産まれたかなとずっと気にかけていると思う。
これだけでも、今日ウブドゥに来てよかったと思った。
コメント