SAKUinBALI　6／3　フライドエッグ

今日はいよいよバリカルミステリーツアーのメインイベント「サンセットライヴ」がある日。
ということは、今夜がバリで過ごす最後の夜。
待ち遠しかったけど、来てほしくなかった日がとうとう来てしまった。
今朝も2時間ばかりベランダで過ごす。
ホントに気持ちのいい空間だ。
毎朝ここでまったりと前日のことを思い返すのが日課になってしまった。
昨日はいろんな日だった。
エステに行った日。ケチャを見た日。
そしてブラックボトムは沖縄でライヴをしていたし、ペコちゃんの結婚式もあった日。
ペコちゃんの結婚式はどうだったかな。
一人娘でかわいがられていたから、泣けるカンジの式になったのかな。
人前結婚式だといってたけど・・・。
沖縄のライヴはきっと盛り上がったんだろうな。
NATSUちゃんとヒロコちゃんは楽しんでるかしら？
ネギーシーさんは結局行ったのかなぁ？
みんな今日東京に帰っちゃうのかな。

藤原さんも起きてきて、朝食を摂りに行く。
ホテルの人が卵料理を作ってくれるコーナーがあるのでそこに並んでいた。
昨日はオムレツにしたから、今日は目玉焼きにしようかな・・・と思いながら待っているととなりの列の白人のおっさんは、目玉焼きを両面焼きにしてもらっていた。
そういえば日本では目玉焼きといえばほとんど片面焼きだが、外人さんには両面焼き派も多く、選択できると以前に「美味しんぼ」で読んだことがあるぞ。
確かそれぞれの英語での呼び方も書いてあったけど・・・。
私の番はどんどん迫ってくる。
片面焼きは英語でなんて言うんだっけ？
なんなら手振りで示せばいいのだが、せっかく知っているのだから使いたいではないか。
なんだったっけ？なんだったっけ？
私の番が来て「オムレット？」と聞かれた。
「フライドエッグ、プリーズ」
ジリジリと焼けるのを見ているうちに、両面焼きが「ターンオーバー」だということを思い出した。
でも私の希望は片面焼きなのだ。さあ、どうする？
「片面焼きにしますか？」という聞き方をされたら「イエス」と答えたらよいのだが、その期待も虚しく「ターンオーバー？」と聞かれた。
しかし、聞かれた瞬間私は片面焼きの言い方を思い出したのだ。
「ノウ。サニイサイドアップ、プリーズ」
こんな簡単な英語で私はものすごく悦に入った。
こんな私、ちょっとカッコよくないか？と思いながら私のサニイサイドアップが皿に移されるのを見ていたら、誰かが私の腕を、手の甲で軽くポンポンと叩いた。
ふと見ると、トオルが「おはよう」と爽やかに言った。
「おはようございます！」
表面的には何気ない朝の挨拶だったが、心の中は「キャー！トオルおはよー！！今日も超カッコイイー！」とギャル化していた。
もしかしてトオルは私のちょっとカッコイイところを見てくれたかしらとときめいたが、そんな長い間、卵の列の横で立ち止まっちゃいないだろうし、仮にきいてたとしても別にカッコイイとは思っちゃいないだろう。
それでも私は「美味しんぼ」で得た知識を活用できてけっこう満足していた。
サニイサイドアップ。まだ言ってる。