泣けるおっさん
2001年5月6日ザビエルが困る。
上司のくせに私に叱られるのだ。
ならお前が叱るなよって話だが。
こっちだって叱りたくない。
叱ったあといつもいやな気持ちになる。
来てしばらくの間ザビエルは、なんだかちょこちょこちょこちょこ私を怒らせるようなことを言っていた。
そして私が怒ると「あっ、それは冗談だけどね」などと逃げる。
卑怯なやつめ。
どうやらザビエルは私の怒りの沸点を確認していたようだ。
はっきり言っておくが、私の怒り沸点はめちゃ低い。ザビエルは温度調節のつもりでいたんだろうが、私の急な沸騰に何度も火傷をしていた。
今日も閉店直前に私を沸騰させた。
「だったら言ってくださいよ!」と私が一応敬語ながらも怒鳴ると、ザビエルは0.2秒で「あっ、ごめん!」と謝った。
そんなに即座に謝られると、なんだかこっちが悪いみたいではないか。
しかもお客さんの前で、まだ30代らしいが決して30代には見えない後頭部を持ったおっさんを叱ってしまった。
私はまた悲しい気持ちになりながらお客さんのカード処理をしていた。
ザビエルはそのお客さんの進物包装をしていた。
そのザビエルが今度はお客さんに叱られはじめた。
母の日の進物ではないといわれていたのに、母の日用の包装をしてしまったようだ。
けっこうネチネチ叱る嫌な客で、ザビエルは「も、申し訳ございませんっ。すぐに包み直させていただきます」と言っていたが後半は何だか判らないほど噛み噛みだった。
確かに私はザビエルを叱った。
それでただでさえ気まずい気持ちでいたのに、進物を間違えたりして、自分からどんどん泣ける方向に進んでいくのはやめてくれ。
いたたまれん。
包みなおして、お客さんも帰り、ザビエルも商品整理に取りかかったとき、アルバイトのかなぶんが「Mさん(ザビ)目が真っ赤でしたよ」と言った。
私はあまりの哀れさにザビエルの顔を見れずにいたのだが、商品整理をしているザビエルの後ろ姿に目をやると、ザビエルのザビエルたるゆえんである後頭部にいきなり剥き出しになっている地肌―――そこまで真っ赤になっていた。
悲しかったのに、かなぶんとはじけたように笑ってしまった。
ザビエルにもっと優しくしてあげようと思うんだけど、ほとぼりが冷めるとザビエルはまた「冗談」を言ったりするから困ってしまうのである。
上司のくせに私に叱られるのだ。
ならお前が叱るなよって話だが。
こっちだって叱りたくない。
叱ったあといつもいやな気持ちになる。
来てしばらくの間ザビエルは、なんだかちょこちょこちょこちょこ私を怒らせるようなことを言っていた。
そして私が怒ると「あっ、それは冗談だけどね」などと逃げる。
卑怯なやつめ。
どうやらザビエルは私の怒りの沸点を確認していたようだ。
はっきり言っておくが、私の怒り沸点はめちゃ低い。ザビエルは温度調節のつもりでいたんだろうが、私の急な沸騰に何度も火傷をしていた。
今日も閉店直前に私を沸騰させた。
「だったら言ってくださいよ!」と私が一応敬語ながらも怒鳴ると、ザビエルは0.2秒で「あっ、ごめん!」と謝った。
そんなに即座に謝られると、なんだかこっちが悪いみたいではないか。
しかもお客さんの前で、まだ30代らしいが決して30代には見えない後頭部を持ったおっさんを叱ってしまった。
私はまた悲しい気持ちになりながらお客さんのカード処理をしていた。
ザビエルはそのお客さんの進物包装をしていた。
そのザビエルが今度はお客さんに叱られはじめた。
母の日の進物ではないといわれていたのに、母の日用の包装をしてしまったようだ。
けっこうネチネチ叱る嫌な客で、ザビエルは「も、申し訳ございませんっ。すぐに包み直させていただきます」と言っていたが後半は何だか判らないほど噛み噛みだった。
確かに私はザビエルを叱った。
それでただでさえ気まずい気持ちでいたのに、進物を間違えたりして、自分からどんどん泣ける方向に進んでいくのはやめてくれ。
いたたまれん。
包みなおして、お客さんも帰り、ザビエルも商品整理に取りかかったとき、アルバイトのかなぶんが「Mさん(ザビ)目が真っ赤でしたよ」と言った。
私はあまりの哀れさにザビエルの顔を見れずにいたのだが、商品整理をしているザビエルの後ろ姿に目をやると、ザビエルのザビエルたるゆえんである後頭部にいきなり剥き出しになっている地肌―――そこまで真っ赤になっていた。
悲しかったのに、かなぶんとはじけたように笑ってしまった。
ザビエルにもっと優しくしてあげようと思うんだけど、ほとぼりが冷めるとザビエルはまた「冗談」を言ったりするから困ってしまうのである。
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