静岡珍道中 ヘンな男の巻
2001年1月4日明日は私の21世紀初ライヴである。
ブラックボトムをすごく応援してくれている静岡の「すみや」さんという会社主催のライヴである。
仕事納めが大晦日、仕事始めが元旦だった私は、今日明日と正月休みがもらえたので、どうせなら静岡でゆっくりしようと、静岡に前泊することにしたのである。
静岡に行くのは3回目。
3回とも「すみや」さんのイベントである。
「すみや」さんには個人的にもとてもお世話になっているのだ。
行きは新幹線を使った。
新大阪で乗り換えなのだが、帰省ラッシュに巻き込まれたくない一心から、新大阪からはこだまで行くことにした。
こだまは予想以上にガラすきで、横一列を一人で使えるくらいの人数しか乗っていなかった。
私はのんびりと本を読みながら旅を楽しんでいた。
岐阜羽島で降りる人がわりといて、駅に近づくとデッキに列ができた。
駅について扉が開くやいなや、降りる列の先頭の人を押しのけてまで乗ってきた男がいた。
降りる人が先だろうが!
私は舌打ちをしつつその男を見て驚いた。
その男が放つ「私はヘンな人です」というオーラがあまりにも強烈だったのだ。
はだかの大将のガタイをもっとでかくしてオタッキーにしたカンジ。
かかわりたくない。
ヤツは膨大な量の荷物を持っていた。
その中のひとつに「F川」というネームがついていたのを私は横目で確認した。
F川は私とわりかし近い席に座った。
あんなにかかわりあいになりたくないと思っていたのに、車内のくずもの入れを探しているときにうかつにも目を合わせてしまった。
F川はなぜか会釈してきたので、私はすばやく目をそらしたのだが、奴は膨大な量の荷物持参で私の隣りにやってきた。
「ここあいてますか?」とF川は言った。
私はヘンな人にとても好かれるタチで、今まで幾多のヘンな人と対決した。
その経験から言うと、すいてる車内で隣に座りたがる人は100%「困る人」なのだ。
F川のように声をかけてから座る人は、人が本を読んでいようが寝ていようがしつこく話しかけてくるタイプ。
そして声もかけずにいきなり座る人はズバリ痴漢なのである。
だから私はすいている車内で「ここいいですか?」といわれたら「他にもいっぱいあいてますよ」などといって断るようにしている。
しかしF川は巧妙にも「ここあいてますか?」ときた。
悔しいけどあいている。
「あいてるけど座らないでください」とまで言う勇気はなかった。
「ハイ」というしかなかったのである。私はF川が隣りに座るとすぐに固く目を閉じ寝たふりをした。
話しかけられ防止策である。
次の駅で降りるふりをして違う車両に行こう。
それだけを夢見てがんばった。
しかしF川は私のひざを指でトントンとたたいて起こした。
そして「火を貸してください」と当然のように言った。
私が「持ってません」というと「ええっ!!ここ喫煙車ですよ!」と言った。
タバコ吸わんヤツが喫煙車に乗っちゃ悪いんかい!
こっちの方がすいてたからこっちに座ったんじゃい!
そう思いつつまた固く目を閉じた。
F川はまだブツブツ「喫煙車なのに」と言っていた。
F川のヘンな行動はまだ続く。
車内販売でプラスチック容器に入ったお茶を買ったのだが要領がわからないらしく、お茶っ葉を入れずに白湯のまま飲んだ。
それからやたら携帯がなってデッキに行き「ハイ、F川です」などと言っているのだが、注意深く見ると、自分が携帯をいじって着信音を鳴らしているのである。
そしてさも人からかかってきたかのようにデッキでひとしきり話すのだ。
ねらいはなんだ?さっぱりわからない。
これらの事はすべて20分足らずの間に起こったことだ。
F川のウザさ、わかっていただけるだろうか?
しかし本当に恐ろしいのはこれからである。
目を閉じていた私の顔の前をF川の手が通りすぎる気配があった。
なんだろうかと薄目で見て仰天した。
なんとF川は前の小テーブルにおいていた私の飲みかけのペットボトルのウーロン茶を飲んでいたのである。
私は反射的に立ちあがり、荷物をつかんで、F川とF川の荷物をまたいで禁煙車両へ小走りに移動した。
完敗である。
ブラックボトムをすごく応援してくれている静岡の「すみや」さんという会社主催のライヴである。
仕事納めが大晦日、仕事始めが元旦だった私は、今日明日と正月休みがもらえたので、どうせなら静岡でゆっくりしようと、静岡に前泊することにしたのである。
静岡に行くのは3回目。
3回とも「すみや」さんのイベントである。
「すみや」さんには個人的にもとてもお世話になっているのだ。
行きは新幹線を使った。
新大阪で乗り換えなのだが、帰省ラッシュに巻き込まれたくない一心から、新大阪からはこだまで行くことにした。
こだまは予想以上にガラすきで、横一列を一人で使えるくらいの人数しか乗っていなかった。
私はのんびりと本を読みながら旅を楽しんでいた。
岐阜羽島で降りる人がわりといて、駅に近づくとデッキに列ができた。
駅について扉が開くやいなや、降りる列の先頭の人を押しのけてまで乗ってきた男がいた。
降りる人が先だろうが!
私は舌打ちをしつつその男を見て驚いた。
その男が放つ「私はヘンな人です」というオーラがあまりにも強烈だったのだ。
はだかの大将のガタイをもっとでかくしてオタッキーにしたカンジ。
かかわりたくない。
ヤツは膨大な量の荷物を持っていた。
その中のひとつに「F川」というネームがついていたのを私は横目で確認した。
F川は私とわりかし近い席に座った。
あんなにかかわりあいになりたくないと思っていたのに、車内のくずもの入れを探しているときにうかつにも目を合わせてしまった。
F川はなぜか会釈してきたので、私はすばやく目をそらしたのだが、奴は膨大な量の荷物持参で私の隣りにやってきた。
「ここあいてますか?」とF川は言った。
私はヘンな人にとても好かれるタチで、今まで幾多のヘンな人と対決した。
その経験から言うと、すいてる車内で隣に座りたがる人は100%「困る人」なのだ。
F川のように声をかけてから座る人は、人が本を読んでいようが寝ていようがしつこく話しかけてくるタイプ。
そして声もかけずにいきなり座る人はズバリ痴漢なのである。
だから私はすいている車内で「ここいいですか?」といわれたら「他にもいっぱいあいてますよ」などといって断るようにしている。
しかしF川は巧妙にも「ここあいてますか?」ときた。
悔しいけどあいている。
「あいてるけど座らないでください」とまで言う勇気はなかった。
「ハイ」というしかなかったのである。私はF川が隣りに座るとすぐに固く目を閉じ寝たふりをした。
話しかけられ防止策である。
次の駅で降りるふりをして違う車両に行こう。
それだけを夢見てがんばった。
しかしF川は私のひざを指でトントンとたたいて起こした。
そして「火を貸してください」と当然のように言った。
私が「持ってません」というと「ええっ!!ここ喫煙車ですよ!」と言った。
タバコ吸わんヤツが喫煙車に乗っちゃ悪いんかい!
こっちの方がすいてたからこっちに座ったんじゃい!
そう思いつつまた固く目を閉じた。
F川はまだブツブツ「喫煙車なのに」と言っていた。
F川のヘンな行動はまだ続く。
車内販売でプラスチック容器に入ったお茶を買ったのだが要領がわからないらしく、お茶っ葉を入れずに白湯のまま飲んだ。
それからやたら携帯がなってデッキに行き「ハイ、F川です」などと言っているのだが、注意深く見ると、自分が携帯をいじって着信音を鳴らしているのである。
そしてさも人からかかってきたかのようにデッキでひとしきり話すのだ。
ねらいはなんだ?さっぱりわからない。
これらの事はすべて20分足らずの間に起こったことだ。
F川のウザさ、わかっていただけるだろうか?
しかし本当に恐ろしいのはこれからである。
目を閉じていた私の顔の前をF川の手が通りすぎる気配があった。
なんだろうかと薄目で見て仰天した。
なんとF川は前の小テーブルにおいていた私の飲みかけのペットボトルのウーロン茶を飲んでいたのである。
私は反射的に立ちあがり、荷物をつかんで、F川とF川の荷物をまたいで禁煙車両へ小走りに移動した。
完敗である。
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