レズ女に襲われることなく無事に東京についた私はとりあえずユキちゃんのうちに荷物を置かせてもらうとさっそく新宿に行き、今日のライヴ会場であるリキッドルームに下見に行った。
行ってみるとスティーヴが外に出ていたので、もしかするとトオルも出てくるかもよと思い、仕事中のユキちゃんに現状報告メールをピコピコと打ちながら様子をうかがっていた。
すると私の前で誰かがキキ―ッと自転車のブレーキをかけた。
見ると60歳ぐらいの背の低いオヤジで、ニヤニヤしながら「誰に電話してんだよう」と言った。
私は心の中で「電話じゃない。メール!!」とすばやく反論したが、表面的には無視を決め込んでいた。
するとオヤジは「おじさんと援助交際しないかい?」と言った。
なに―――――!?私の胸は高鳴った。
ちょっとちょっと、厚底にだまされてはいませんか?私ゃ31だっつーの!
そう思いつつジロリと見たら、オヤジは「だめかい?」となおも食い下がってきた。
私はこのオヤジが私の何にいくらの値をつけるのか非常に興味があった。
エンコーと言ってもいろいろあるではないか。
中にはご飯を食べたり、カラオケに行ったりするだけでお金をくれる人もいると聞く。
かなり高飛車だが、ご飯を食べるだけで3万円+ご飯のメニューは私に決めさせてくれる、という条件ならば私はご一緒してもよい。
それ以外は一切ノーだ。
だが私自身の見積り額と、オヤジの見積り額には大きな開きがあるはずだ。
あんたの見積もり表を見せてくれ。
そう思ったが、下手なことを言ってその気ありと思われるのも嫌なので、こんなにいろんなことを考えつつも私はひとことも発さずメールを打ちつづけていた。
オヤジは自転車でぐるぐると何周もやってきては「いやかい?」としつこいので私はたまらずその場を離れた。
トオルの匂いのするところから私を離れさせられる人などそうはいまい。

トオルの出番は3組目、その前がスティーヴだったのでとても気持ちいいノリのままトオルへと移行できた。
真治ツアーのときから一緒だったタツさんと河合さんがサポートしてくれていたのもうれしかった。
4曲やって、私の好きな「指スリ」もやってくれた。
時間的には短かったけど、大満足だった。
来週の「スティーヴちゃん祭」も楽しみだなぁ。

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