約半分

2000年10月16日 お仕事
バイト先のコンビニにほぼ毎日来る水商売の男たちがいる。
その中の一人で、特によく話をする男がいて、私とももちゃんは「もう一人の男」と呼んでいる。
同じ店で働いているらしき5人で「タカタ」と、「肌の汚い男」と、「色の白い男」と、「新入り」と、そして「もう一人の男」なのである。
つまりあまり呼ぶべき特徴のない男なのだ。
今日私が外の窓拭きをしているとその「もう一人の男」が、「ねぇねぇ、もしかして意外と年なん?」とびっくりするようなことをいきなり聞いてきた。
どうやら店内でももちゃんに私の年を聞いたらしいのだが、そのももちゃんの反応を見てそう思ったらしい。
どんな態度をとったのだ??
私は「ああ、そうですよ。ももちゃんの倍近いですから。」とさらりと答えた。
私は31歳、ももちゃんは9月に17歳になったばかりなのだ。
「もう一人の男」は非常に驚いていた。
というのも、ももちゃんはちょっと17歳には見えないカンジなのである。
話してみると17歳らしい子供っぽさがにじみ出るのだが、風貌が肝っ玉母さんっぽく23・4歳には見える。
ももちゃんを見たまま受け取ると私は50前ということになってしまうし、一方私は年よりは少しは若く見えていると思うので、私を見たまま受け取るとももちゃんは中学生ということになってしまう。
「もう一人の男」が目を白黒させていると「新入り」も買い物を済ませて外に出てきた。
「新入り」は中でももちゃんに私の年を聞き出してきたらしく、「ねぇねぇ、30歳ってホント?」と聞いた。
確かにももちゃんに年を聞かれたときは30歳だったのだが、その後私は進化し31歳に成長していた。
私が「違いますよ。31歳です。」というと「新入り」は「見えん見えん。20代半ばぐらいかと思った。」とうれしいことを言ってくれた。
さすが、新入りとはいえ水商売の男だけあり口が上手い。
しかし「半ば」は大袈裟であろう。
ちょっと恥ずかしかった。
そんな私を尻目に「もう一人の男」はしきりに首をひねっていた。
ももちゃんの歳を試算しているのだろうなぁと思うとおかしくてたまらなかった。

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